PR会社が斎藤元彦氏のSNS戦略を「手の内自慢」...問われる公選法との整合性 斎藤氏側は依頼自体を否定
斎藤氏のオフィス訪問の記述や「SNS運用フェーズ」の画像が削除
さらに、記事には22日朝までに文章や画像の一部削除など内容が変更されており、SNSで波紋が広がっている。変更された主な内容は次のようなものだ。 まず、今回広報戦略を担うことになったきっかけは、齋藤氏がメルチュのオフィスを訪れたことだったとする説明だ。折田氏は広報PRの有識者として県の会議に複数出席したことがあったため、斎藤氏とは面識があったとしている。この斎藤氏のオフィス訪問と斎藤氏との面識に関する部分が削除されている。 また、提案資料の一部として公開された「SNS運用フェーズ」と記載された画像も削除されている。大まかなスケジュールを記載した表で、10月1日から13日に「立ち上げ・運用体制の整備」、10月14日から31日に「コンテンツ強化(質)」、11月1日から17日に「コンテンツ強化(量)」と記載されている。 なお、今回の県知事選の告示日は10月31日だ。立候補の届け出以前の段階で「政治活動」は可能だが、当選を目的に投票を勧める「選挙運動」は禁止されている。 さらに、「ご本人は私の提案を真剣に聞いてくださり、広報全般を任せていただくことになりました」との一文も削除されている。
ポイントは「選挙運動員」か「事務員」か
この記事に記載されているメルチュの活動は、公職選挙法違反に当たる可能性はあるのか。特に、報酬を受け取っていた場合はどうか。 J-CASTニュースの取材に応じた弁護士法人ユア・エースの正木絢生代表弁護士は、 「兵庫県知事選における斎藤元彦氏の当選のための得票を目的として運動しているように見えますから、もしも齋藤氏から株式会社merchuにお金が払われていたりしたなら、公職選挙法違反になる可能性があります」 と指摘する。 選挙運動員の買収について、正木弁護士は、「インターネット上での活動であれ、『選挙運動』に対して報酬を支払っていた場合、そのほとんどは公職選挙法違反になる可能性があります」と説明する。選挙運動とは、総務省のサイトによると、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」。この活動に対して報酬を払う場合、公職選挙法221条1項に該当することが多いという。 しかし、報酬の支払いが認められている例外もある。車上運動員(いわゆる「うぐいす嬢」)や事務員がそれにあたるという。 正木弁護士は、記事を読む限りでは、折田氏らが「選挙運動員に当たるということまでの断言はできません」ともみている。 「選挙活動中も、単なる事務員に対してであれば報酬を払う事が許されており、実際の活動内容によっては、本条の適用外になる可能性もあります」