パリ五輪初採用の「ブレイキン」、21歳のメダル候補SHIGEKIXが語る重圧 今秋、五輪出場懸かる世界選手権とアジア大会へ
重圧と向き合うには「今の自分と向き合うことしかない」と言い切る。他人、または過去の自分と比較しないことを心がける。「変えられない過去と向き合っても、そこからは何も生まれない。自分の経験が知識として生きることはあるけど、重要なのは今の自分かなと思う」 バトルで相手と対峙する時の心構えと通じるところがある。「自分との戦いに勝たずして、人との戦いは迎えられない。まず自分との戦いと向き合った上で、バトル当日に自信を持って相手と対峙できる。自分と向き合って成長して、いろいろなことを学んで(試合)当日を迎えられるかが大きな部分だと常に感じている」 ▽365日、練習 素早い回転技などから音楽に合わせてピタリと動きを止める「フリーズ」を得意とする。幼少期から練習を重ねたストリートでは日によって集まるダンサーが違い、流れる音楽も変わる。知らない音楽に合わせて踊るのが楽しく、自然と自身のスタイルとして確立されていった。
練習は「基本週7日、365日」と言う。1日2~3時間、ほぼ休憩無く、踊り続ける。多い時は週3日、サーキットトレーニングも取り入れ、肉体を鍛え上げる。短い休みを入れながら全力運動を何度も繰り返す過酷なメニューだ。 「ブレイキンとは違うしんどさを感じることができる。ブレイキンで追い込む時に『あのトレーニングができているし、大丈夫』という自信につながる。動きは全然違うけど、呼吸の上がり方とか、ブレイキンで感じられないレベルの負荷を体にかけることができるので、それを経験することで、余裕が生まれる」 睡眠や室温、低脂質な食事に細かくこだわる姿は他競技の一流アスリートと変わらない。体重は「ベースとして一番過ごしやすい」という56~57キロ台をキープする。遠征先にも体重計を持ち込み、1日に数回は確認する。リフレッシュは絵を描くことやジョギングで「自分が心地よくて、過ごしやすいなと思える環境を常に意識するようにしている」と言う。