地震をきっかけに、ものを手放すように。衣食住にまつわるYouTubeが話題!深尾双葉さんの「ダウンサイジングルール」
今、なぜ暮らしを「ダウンサイジング」? 人生が回り始めた私の「ダウンサイジングストーリー」
何がきっかけで、どうやってものを減らし、その結果どう変わった? 気になるのは、その詳細。家をすっきりさせることで暮らしを前向きに転換した方のリアルな体験談は、あなたがダウンサイジングに着手する、何よりのモチベーションになるはず。
深尾双葉さん
・家族構成:夫 ・間取り:3LDK 広さ:65㎡ 石川県在住。東京で雑貨店に勤務後、金沢市で器と古道具の店を営んだ経験を持つ。現在は自身のYouTubeチャンネル「futaba」を中心に、動画クリエイターとして活動。インスタグラム(lesmoules___)
ダウンサイジングして どう人生が変わった?
・“本当に好きなもの”が明確に。余白があるから、それらが引き立つ ・“素敵なものを持たなきゃ”という見栄がなくなった ・背負うものを少なくしたら、移住という選択肢も見えてきた
お気に入りの食器を1/3の量に 地震をきっかけに、価値観が一変。ものが少ないほど魅力がきわだつと気づきました
YouTubeで衣食住にまつわる動画を投稿し、人気を博す深尾さん。動画の内容が変わったのは、今年に入ってからのこと。「手放す」や「捨て活」をテーマとした投稿が多くなったのです。 「きっかけは元日の地震でした。私は金沢在住ですが、発生時は別の場所にいたので揺れは体験していないんです。自宅も小物が割れたり倒れたりした程度で、大きな被害はなかったけれど、あのときに間違いなく価値観が変わりました」 続く余震。報道で被害状況が明らかになるにつれ、ものを多く持つことに興味を持てなくなりました。大好きで集めていた器、骨董、雑貨。これらに執着する意味って何だろう? あの地震を経験した後では、いくらじっくり考えてみても、自分を納得させられる答えは見つかりませんでした。 「はじめはこまごまとした雑貨から。それらを手放したら、驚くほど気持ちが晴れやかになったんです。これまでは今ひとつ『ミニマリスト』の意義を理解できなかったけれど、自分が実際に手放して心地よさを体感し、ようやく腑に落ちました。それをきっかけに、倒れてきたらけがをしそうな寝室のオープンシェルフ、奥行きが小さく不安定だった台所の棚、使う場面が減っていたデスクと、次々に“本当はわが家にいらなかった家具”も消えていきました」 以前は、器と古道具の店を営んでいた深尾さん。“もの”に対する思いは人一倍なのに、あっさり別れを告げられたのは、ものを選び取る視点がいつの間にか変わっていたことに気づいたから。「動画を発信するようになり、カメラに映したときに素敵に見えるもの、ひとが持っていないもの……いつの間にかそんな視点でものを選ぶことが増えていたんですね。誰かの目を気にすることなく、自分にとって必要なものだけ、と考えたら、驚くほど執着がなくなったんです。本当に好きなものは、実は少なかった。“なんとなく好き”を手放したら、とても軽やかになりました。以前は、抱えている多くのものが私らしさを表現していると考えていたけれど、それは逆でした。ものが少なくなればなるほど、空間に私らしさが色濃くなっていくことを感じましたし、残したものの魅力もまた、きわだつようになったと感じています」──深尾双葉さん