「企業・団体献金」は自民党の専売特許ではない トヨタと電力会社のために働く野党議員はクビにせよ! 古賀茂明
■禁止法案の「密かな抜け穴」 実は、この問題は、以前から知る人ぞ知るという話だったが、これまでは、企業・団体献金の禁止などできるはずがないということで、野党側もあえて議論していなかった。誰も気づかないように静かにしていて、いざとなったら密かに抜け穴を作ればいいと考えていたのだろう。 立憲の野田佳彦代表は、早々とこの抜け穴を認める法案を作って提出しようとしたが、今回は、企業・団体献金の禁止を国民が本気で求めているということに気づかなかったのだろうか。 テレビや新聞が真面目に調査し、立憲も労組系団体の巨額献金を受けていると報じたことで、「密かな抜け穴」が白日の下に晒されてしまった。企業・団体献金で攻勢に出ようとしていた矢先にずっこけてしまったという感じだ。 野田氏は、「自由な意思に基づいて政治団体をつくって自発的に寄付をするような、まさに政治活動の自由の根幹に関わることまでは否定できないだろうということがあって、またそういう政治団体もたくさんありますので、そのことを意識しての“政治団体を除く”なんです」と釈明したが、「抜け穴だ!」という批判に応えるのはとても無理という状況だ。 個人が自由な意思で政治団体をつくるのはもちろん自由だ。また、個人が自由な意思で政治献金をするのも自由である。しかし、「政治団体を通して」献金する自由というのは、必ずしも絶対というものではない。それを認めると、企業系団体、労組系団体というようなものとの見分けがつきにくく、結果的に贈収賄的性格を持つにもかかわらず、それが見えない不透明な献金の抜け穴になってしまう。そのような政治を歪める恐れを生み、政治への信頼を失わせるという弊害があるのであれば、そのような献金方法は禁止しても良いはずだ。 これを禁止しても、個人は、自由意思で個人として政治献金をするのに何ら支障はないから、個人の政治活動の自由を阻害するということにはならない。 国民は、自民党の贈収賄政治を終わらせたいと願っている。一方で、野党による労組を通じた大企業優遇政治という問題には気づいていない人が多かったと思われる。しかし、今回これを知ることになった以上、この問題にも終止符を打ちたいと考えるだろう。 「時間がないから、とりあえずこれで行きます」という野田代表のやり方を認めるべきではない。 12月21日で国会を閉会にする必要はないはずだ。会期を延長して、年末年始も挟んでじっくり議論し、抜け穴を完全に封じた「完全な企業・団体献金禁止」を実現すべきだ。 そのために、国民は、厳しく与野党を監視していかなければならない。
古賀茂明