「企業・団体献金」は自民党の専売特許ではない トヨタと電力会社のために働く野党議員はクビにせよ! 古賀茂明
■政治が大きく歪められている可能性 さらに、日刊ゲンダイは、12月10日配信の記事で、21~22年についての調査を行い、立憲と国民民主の参議院議員8人に対して、労組と労組系政治団体が、総額5億3009万円の献金を行っていたと報じている この記事によれば、21~22年に、電力総連系の団体が竹詰氏に5000万円も献金したり、浜口氏にトヨタ系だけで2億5000万円近い献金がなされていたりしたことがわかる。 全体としてみると、電力総連や基幹労連などの原子力ムラの労組やトヨタ系労組の存在感が大きく、これらの業界は、経営側でも自民党に巨額の献金を行っていることから、日本の政治が原子力ムラやトヨタによって大きく歪められている可能性が高いと疑いたくなる結果だ。 国民民主だけでなく、立憲議員でも、基幹労連の巨額献金を受け取っている議員がいる。こういう議員は、原発ゼロには賛成できないはずだ。 国民民主は露骨に原子力推進を叫んでいるが、その理由は、要するに巨額献金をもらっているからだということが、非常にはっきりとわかってしまう結果だ。 また、トヨタ系労組の巨額献金を受ければ、トヨタが困る政策はとり得ず、国民民主は、ガソリン車やハイブリッド車への減税を廃止して電気自動車(EV)の急速な普及を図る政策には後ろ向きにならざるを得ないだろう。また、ガソリン税の引き下げを執拗に求めるのは、国民のためではなく、トヨタなど、ガソリン車に頼らざるを得ない自動車メーカーのためではないかという疑念も生じる。 さらに、巨額献金に関わる労組は大企業が中心の組合が多く、したがって、大企業が困る政策は、その組合員たる大企業サラリーマンも嫌がるので、結果的に国民民主や立憲もあまり熱心にならないという弊害が出ている。 大企業への増税を立憲や国民民主が強く主張しないのは、その典型例だと言って良いだろう。 現在、国会では、政治資金規正法などの改正について、与野党がさまざまな案を出して審議が始まっているが、そこにも、労組系の巨額献金の影響がはっきりと出ている。 企業・団体献金については、自民党だけでなく、国民民主党が難色を示している。色々と理屈をこねているが、要するに労組からの巨額献金を守りたいということだろう。 立憲は、社民党などと共同で、企業・団体献金禁止の法案を出しているが、実は、そこには大きな抜け穴がある。 それは、労組からの献金は禁止されるが、労組系の政治団体からの献金は禁止されないというマヌケな抜け穴だ。