「企業・団体献金」は自民党の専売特許ではない トヨタと電力会社のために働く野党議員はクビにせよ! 古賀茂明
■トヨタ系労組の政治団体から「1億円」 しかし、しつこいようだが、完全な企業・団体献金禁止ができるかどうかで、日本の政治が変われるかどうかが決まるのだから、今回こそはどうしても実現しなければならない。 企業・団体献金がなくなれば、自民党の議員は、「ただの人」に成り下がる。多くの議員は、「カネ」がなければ何もできないからだ。そうなって初めて、本当の意味で国民のために働く議員だけによる政治が実現するだろう。逆に言えば、企業・団体献金がなくならなければ、どんなに綺麗事を並べても、結局は、カネを出す人たちのための政治しか行われなくなるのだ。 企業・団体献金と言えば、自民党議員の専売特許だと思いがちだが、野党議員にもこれに頼り切った議員が結構いることには注意が必要だ。 その代表例が、労働組合から巨額献金を受けている議員たちだ。自民党の裏金議員の陰に隠れて、これまであまり批判されてこなかった。共産党の機関紙「赤旗」も、野党のカネの問題を詮索するまでの余裕はなかったようだ。 「赤旗」が本気にならないと、政治とカネの問題の真相に迫るのは非常に困難だというのがこれまでの日本のマスコミの状況だったが、企業・団体献金が本気で議論され始めたことで、大手紙が、急に野党の労組系団体からの献金について、「真面目に」調査を始めた。 と言っても、政治資金収支報告書を見て書いたというだけの非常に原始的な内容だ。それでも、我々普通の国民から見ると、「えーっ!」と声を上げたくなるようなことを知ることができる。 例えば、毎日新聞の記事(11月29日配信「連合傘下、国民民主・立憲側に2.4億円寄付 企業献金抜け道の指摘も」)によれば、連合傘下の主要な労働組合や関連政治団体が、自ら擁立・支援する立憲民主党と国民民主党の参議院議員10人に対し、2023年に計約2億4000万円を寄付したという。 国民民主の議員では、トヨタ自動車系労組の政治団体「全トヨタ政治に参加する会」が浜口誠政調会長に計1億円、礒崎哲史副代表に1482万円を、電力総連の政治団体「電力総連政治活動委員会」は浜野喜史選対委員長に2000万円、竹詰仁氏に1000万円をそれぞれ寄付している。 また、立憲の議員では、日本郵政グループ労組の政治団体「郵政未来研究会」が小沢雅仁氏に5000万円、鉄鋼・重工などの産業別労組・基幹労連の政治団体「組織内議員を支援し政策実現を推進する会」は村田享子氏に2000万円を寄付したなどと報じられた。 また、12月7日配信の読売新聞の記事「労働組合関連の献金、立憲民主・国民民主両党の8議員に計3億2142万円…23年分収支報告書を集計」によれば、同じ23年に、立憲と国民民主の衆参8議員に労組や労組関連の政治団体から計3億2142万円の献金がなされていたということだ。 対象となる範囲が毎日と読売では違うために金額などが食い違うだけでなく、重要な献金が落ちているなどやや杜撰な面もあるが、やらないよりははるかに良い。ナイストライと言っておこう。