プレミアリーグ現地ファンに疎まれる存在? 「プラスチック・ファン」とは一体誰のこと??
イングランドフットボールを応援する最大の魅力
このように現地文化を知り、寄り添う努力をすることは決して簡単なことではない。言葉の壁もある。この原稿を読んで、プレミアリーグの現地観戦はハードルが高いと億劫(おっくう)に感じてしまったなら、生観戦は避けるという選択肢もある。事実、プレミアリーグは世界中からスター選手が集い、プレー強度も非常に高く激しいため、映像で見るだけで十分に楽しい。 その上で、せっかく現地に行くのであれば、もしかすると人生で一度かもしれないプレミアリーグ生観戦をしてみたいと考えるのであれば、現地文化を学ぶ意識を高く持ってもいいのかもしれない。 田丸氏は「現地に旅行に行くということは、単純に選手に会いたいというだけでなく、現地のことを知りたいという気持ちもあるはずだと思います。それならば、イングランドフットボールをより楽しむために、文化を理解してもいいんじゃないかな」と持論を語る。 Kei氏も「現地文化への理解を強制はできないと思っています。ただイングランドフットボールは、貧困問題、人種問題、性差別問題……さまざまな社会問題とリンクしています。だからこそそういう現地の問題に興味を持ったほうが、世界が広がって、単純に面白いと思います。今はGoogle翻訳など、翻訳ツールも発達しているわけですし」と本音を明かした。 もちろんグローバルファンが何か悪いことをしたわけではない。ただし今現在、“プラスチック”という言葉で顕在化しているように、ローカルとグローバルには確実に無意識の壁がある。ただこの相互不理解による壁を壊して、この熱狂的なコンテンツをお互い気持ちよく楽しむためにも、現地文化への興味関心を高く持っていいはずだ。 <了>
文=内藤秀明