多くの親世代は知っている…「学校教育」を不満に思う人が誤解する「本当の現場教師」の意外な実情
変化が目まぐるしく、未来の予測が困難で、正解の見えない時代に子育てする親世代は、いい学校に入っていい会社に入ってというこれまでの「正解」があてはまらず、将来を見据えた子どもの教育に頭を悩ませることも多いだろう。 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動した一言 『AIに潰されない「頭のいい子」の育て方』の筆者、富永雄輔氏はこれに「私が経営している塾の子どもたちを見ていると、幼いなりに彼らは「変わりゆく世界」にしっかりついて行っています。特別な説明を受けるまでもなく、彼らにとって世の中はどんどん変化するのが当たり前であって、確実なものなどありません」と話す。 不確実な現代で子育てをするなか、これからの時代を生き抜く我が子にとって、今必要な学びとはなにか。そのヒントとなる考え方を「日本経済が「韓国に負けた」本当の理由…「平和ボケした日本」親世代だけが知らない「教育格差」がたどる末路」に引きつづきお届けする。
想像以上に激変した「教育現場」
約20年前、私が浪人生活を送っていたときに通っていた予備校には、個別に受けられるサテライト授業とでも言うべきものがありました。名物講師の授業のビデオを個室ブースに持ち込んで再生するというレベルでしたが、大人数の対面授業に出るのが好きではなかった私は、そのシステムをずいぶん利用しました。 ただ、サテライト授業といえど、予備校には足を運ばねばなりません。だから当時は、家から通える範囲にいい予備校がない人は、かなりハンデを負っていました。 塾だけでなく学校も、都市部と地方でレベルの違いがあったのは事実です。 しかし、状況は一変しました。オンライン環境が整ったことで、地域による教育格差は、完全に解消に向かっています。 今や高校生はもちろん、かなりの数の小学生もスマホを持っているし、家にあるタブレットやパソコンを自由に使える子どもたちも増えています。個人宅でも公共の場でもWi-Fiが整備され、ほぼどこでもインターネットに繋がります。 その結果、これまで英会話教室などなかった僻地に暮らす子どもでも、今は外国人教師からマンツーマンで学ぶことができるのです。 コロナ禍ではいろいろ苦労もありましたが、少なくともオンライン化の急激な進展は、ポジティブな副産物でした。とくに、教育分野には多くの果実をもたらしたと私は思っています。 学校の教師など教育現場の人たちに対してお堅い印象を持つ人も多いかもしれませんが、実は子どもと同様、変化に対する抵抗感は低いのです。私は「時代を変えるには教育現場の改革が一番の近道だ」という信条の持ち主で、この変化を歓迎しています。 もっとも、オンライン化の影響を受け、しばらくは混乱が生じるでしょう。 教師たちのオーバーワークは以前から問題になっており、対面授業の準備に加えオンライン授業にも対処しなければならないとなれば、さらなる激務が予想されます。想像を絶する業務量をこなしている今の学校の先生には、本当に頭が下がります。 しかし、やがて効率化が図られ、いずれ教師の負担も減るはずです。今、教育現場は重要な過渡期を迎えているのだという認識が必要でしょう。 …つづく、「日本経済が「韓国に負けた」本当の理由…「平和ボケした日本」親世代だけが知らない「教育格差」がたどる末路」では、めまぐるしい時代の変化に子どもの将来を育む「最適な教育法」を明かします。
富永 雄輔(進学塾VAMOS代表)