貝印、包丁・ハサミを再資源化 鉄鋼メーカーと協働
貝印は、処分予定の在庫や返品、消費者から回収した包丁やハサミを再資源化する取り組みを、アミタおよび鉄鋼メーカーと実施した。 【この記事に関する別の画像を見る】 従来のリサイクル方法では、金属だけの刃物はスクラップとして引き取られ再度ステンレスや鉄になるが、ハンドルが樹脂の刃物やパッケージに入っている刃物は埋め立てや焼却されることが多かったという。 こういった資源循環の課題に対し、サステナブル経営コンサルタントであるアミタと、鋼材の製造メーカーと共同で、「刃物回収再資源化プロジェクト」を開始。自社の廃棄物を再資源化し、再び社内で循環利用する取り組みとして、刃物に使用されているステンレスを再度ステンレスにする。 2023年に実験を行なっており、2024年6月からは毎月150kg程度の樹脂付きのステンレス刃物鋼を鉄鋼メーカーの電気炉でステンレスに再資源化し、貝印で材料として使用している。 対象としているのは、返品された商品や廃番品、業務用包丁の使用後の引き取り品といった、流通センターにて発生した刃物。鉄鋼メーカーでの工程は、まずバスケットに対象物を投入。その後、バスケットから電気炉に投入し溶解し、ステンレス鋼材などに再資源化する。 消費者にとっては資源循環の一翼を担え、貝印や鉄鋼メーカーにとっても環境への貢献やCO2の削減、素材の入手といったメリットがある。 今後も、ECサイトでの回収品や業務用向けの使用済み包丁の再資源化を継続。ホームセンターの引き取りキャンペーンについては、従来は産業廃棄物として処理していたが、今期から同プロジェクトの一部として再資源化する。また今後、kai shop等の店頭回収も視野にいれて取り組みを進める。
Impress Watch,加藤綾