抹茶を簡単に点てる驚きのコツ!「朝日焼」ワークショップでの感動体験
「幸せな時間」とは、自分の身体を動かして能動的に何かをしている時
お茶の効能その2は、お茶を自分で点てて飲むことで、その時間が豊かになることです。 私は、幸せや豊かさを感じる時間というのは、自分の身体を動かしながら、能動的に何かをしているときだと思います。自分が道具を使ってお茶を点てることで、いろんなイメージが浮かんでくる。朝なら、今日はどんなことをしようか、夜なら、今日はどんなことがあった、など。私にとっては、お茶を点てて飲む時間は、心を整える時間でもあります。 効能その3は、日本の文化との接点が持てることです。 お茶の道具、お抹茶、お菓子など、そこに関わるのも全てに、物語がある。私だけでなく、茶器などの職人は、て人生をかけて、一つ一つの器を作っています。茶碗なんて、どこにでもある道具の一つだけれど、その素材、形、色それぞれに、歴史があって、物語がある。お茶に興味を持つようになると、器を見る目も変わっていきます。お茶を基点に、長く培われてきた、日本の文化との接点を作ることができる。新しい興味が広がっていくことは、人生を豊かにしてくれることだと思います」 さて、実際にお茶を点てていくと、途中で参加者の度肝を抜くような、“コペルニクス的な点て方”が伝えられた。
誰でもお茶を点てられるようになる「隠し技」とは
「まず、お湯で茶碗を温めてください。器をゆっくり回していると、その時間が心を整えたり、精神を集中する時間につながります。次に、お茶を茶杓で一杯半、だいたい1・5gぐらい器に入れます。体調に合わせて、量を加減してもらっても大丈夫です。さて、大事なのはここからです。 お抹茶を点てるとき、普通は、熱いお茶を注いで、茶筌で抹茶を泡立てていくんですが、美味しくないお茶は、苦味が強いお茶であることが多い。熱湯を注ぐと、苦味が立つしダマになりやすいんです。ダマになると、粉が舌に残って美味しくない。そこで、ダマを作らない方法として、少しの水を入れてかき混ぜる方法をお教えします。 水で、お茶のペーストを作っていく感じです。そうやってグルグル茶筅で回すうちに、お抹茶はペーストになってダマがなくなる。お茶のお稽古では絶対にやらない方法ですが、これで簡単に抹茶が溶けるのでオススメです。普通は茶漉しで漉せばいいんですが、毎日飲むには面倒臭いので、それを省いてしまおう、と(笑)。お抹茶がペースト状になったら、茶碗にお湯を3分の1より少し少ないぐらい入れて、泡立てるだけ。泡もたくさんたてなければいけないわけではありません。難しければ、空気を含みやすいように斜めに傾けても大丈夫。それが、美味しいお茶を点てるコツです」 最初に水を少し入れて、ペースト状にするというやり方で、参加者の誰もが(取材記者も体験!)、苦味もダマもない、美味しいお抹茶を飲むことができた。「こんなに簡単にお抹茶が点てられるなんて!」と、参加者の誰もが大感激。日本発の、ビックリするほど手軽な“感動体験”がそこにあった。 伊勢丹新宿店 メンズ館8階 イセタン メンズ レジデンス“JAXURY”スペースでは今後も、日本ならではのラグジュアリーな感動体験を発信予定。お楽しみに! 取材・文/菊地陽子 撮影/嶋田礼奈(講談社写真部)
FRaU編集部