JリーグMVPの神戸・武藤嘉紀 不遇の欧州時代は「泣きながらミセスを熱唱」「苦しい経験が僕を強く」
Jリーグの年間表彰式「2024Jリーグアウォーズ」が10日、横浜アリーナで行われ、神戸のJ1リーグ連覇に貢献したFW武藤嘉紀(32)が最優秀選手賞(MVP)を初受賞した。 【写真あり】リーグベストイレブン 王者・神戸から武藤、大迫ら最多3人選出“台風の目”町田からは選ばれず 武藤は今季、開幕節・磐田戦を除く37試合に出場し、自己最多に並ぶ13得点をマーク。今季の神戸の総得点は「61」で、総得点の約3分の1に絡むなど、チームの攻撃をけん引。8日の最終節・湘南戦でも得点を挙げて連覇の立役者となった。 昨年は神戸のチームメイトのFW大迫勇也がMVPを獲得。チームにとって2年連続の快挙となった。 武藤は目に涙をためながら受賞スピーチに臨み、「僕自身、一見、華やかな経歴には見えますが、多くの怪我や挫折、紆余曲折を経て今があると思います」と言及。 ドイツ、イングランド、スペインでプレーしたが、「ヨーロッパでは1年以上ベンチにも入ることができず、家を出る時のドアが非常に重く、そして帰り道に泣きながらMrs. GREEN APPLEさんの「僕のこと」を大熱唱して運転していたのを今でも鮮明に覚えています」と当時を回想した。 「しかし、苦しい経験、逃げ出したくなるような経験が僕を人としてもサッカー選手としても強くしてくれたと今では感じられます」と告白。 そして、支えてくれた家族に「僕一人で乗り越えられたことは何一つありません。家族なしでは今の僕は決してないと思っています」と感謝し、「このMVP受賞は家族に捧げたい」と語った。