課長に昇進しても手取りが「28万円」から変わらない!?考えられる理由とは?
夫が課長に昇進すると、役職手当が給与に含まれるようになり、手取り額が増えることが期待できます。しかし、なかには仕事が忙しくなるばかりで、手取りは以前と変わらず28万円だというケースもあるようです。 そこで今回は、昇進して管理職になったのに手取りが変わらない場合に考えられる理由を調べてみました。管理職は、地位に見合った待遇がなされている必要があるため、昇進しても手取りが増えない場合は注意が必要です。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
課長に昇進したのに手取りが変わらない!? 考えられる理由とは
夫が、課長に昇進して給与がアップすると期待していたら、手取りが28万円で今までと変わらないといったケースもあるようです。この場合に考えられる理由として、残業代が挙げられます。 課長や管理職に昇進すると、労働基準法の「管理監督者」とみなされ、残業代が支給されなくなる場合があります。 労働基準法第41条には、監督もしくは管理の地位にある者(管理監督者)は、労働時間、休憩および休日に関する規定が適用されない旨が記されているからです。 今までは時間外労働について所定の割増賃金が支払われていましたが、管理職になることで、残業や休日出勤をしたとしても時間外手当が支給されなくなります。役職手当がついて基本給が上がった金額と、昇進前に支給されていた時間外手当を含む金額が変わらない場合は、手取り額も変わらなくなってしまいます。
課長でも残業手当や休日出勤手当が出るケースはある
会社内で管理職の肩書がついたとしても、必ずしも労働基準法の「管理監督者」にあてはまるとは限りません。 厚生労働省東京労働局によると、例えば、以下にあてはまらないケースでは、課長に昇進したとしても「管理監督者」とはみなされず、残業手当や休日出勤手当が支給されます。 ・経営者と一体的な立場で仕事をしている 管理監督者は、労働者であることに変わりありませんが、経営者に代わって同じ立場で仕事をする必要があるため、管理監督、指揮命令にかかる一定の権限を与えられている必要があります。自身の裁量で行使できる権限が少なく、上司の命令を部下に伝達するだけのような場合は、管理監督者には該当しません。 ・出社・退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない 管理監督者は、勤務時間にかかわらず経営上の判断や対応を求められるなどの事情で、出退勤時間を厳密に決められません。勤務時間の制限もないため、出退勤時間は自身の裁量に任されます。遅刻や早退で減給されるような場合は、管理監督者とはみなされません。 ・地位に見合った待遇がなされている 重要な職務を任されることになるため、地位や給料などについては、一般従業員と比較して相応の待遇がなされている必要があります。 「課長」になって管理職の肩書がついたとしても、上記にあてはまらない場合は実態が伴っておらず、労働基準法の「管理監督者」に該当しません。 会社によって組織や職制はさまざまであるため、一律の基準で判断できませんが、管理監督者に該当しているかを判断するために、職務内容・責任と権限・勤務態様・待遇を確認してみるとよいでしょう。 なお、深夜割増賃金や有給休暇に関しては、管理監督者にも適用されるため、しかるべき金額が支払われていない場合は確認が必要です。