日本企業の利益率向上が投資家から評価されないワケ
今の日本企業の利益率改善は、必ずしも株式市場で高い評価を受けていない(写真:Ystudio/PIXTA)
日本経済はなんとなく停滞しているイメージが蔓延しているものの、企業の利益率に関しては、ここ20年で着実な向上を見せている。自己資本利益率(ROE)は、欧米に比べるとなお低めではあるものの、経済産業省の報告書、通称「伊藤レポート」で目標とされていた8%レベルにおおむね達しつつあるのだ。(グラフ1) こうした収益力の改善を背景に、日本の株価はここ10年くらいで大きく上昇してきたわけだが、その一方で、日本株の予想PERは12~13倍程度と割安な水準のままであり、日本株への評価が一向に高まっていないことを示している。通常、ROEの向上とともにPERなどの株価バリュエーションは高まるはずなのだが、これはいったいどうしたことなのだろうか。
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田渕 直也