映画大手IMAXの中国子会社CEOが語る「中国エンタメ市場」の爆発力
カナダを拠点とする映画テクノロジー大手IMAXの中国子会社のIMAX Chinaにとって、2024年は容易な年ではなかった。調査会社Maoyanによると、今年の11月下旬までの中国の映画チケット販売は、前年同期比21%減の56億ドル(約8800億円)に落ち込んだ。 IMAX Chinaの2024年上半期の利益は、大ヒット作が不在だったことも影響し、前年同期比9%減の1260万ドル(約20億円)、売上高は3.1%減の4390万ドル(約69億3000万円)だった。しかし、それでもIMAX ChinaのCEOを務めるダニエル・マンワーリングの中国のエンタメ市場に対する自信は揺らいでいない。 「私たちの劇場は、ブロックバスター作品の目的地なのです」と、マンワーリングは先日のフォーブス・チャイナのインタビューで語った。「最も重要なのは、大規模な作品が劇場に戻ってきていることです」と話す彼は、1月末から始まる中国で最も重要なホリデーシーズンである春節の公開予定作品に、2019年に7億ドル(約1100億円)超えの興収を記録した大ヒットアニメ『ナタ~魔童降臨~』の続編や、2023年に3億7000万ドル(約580億円)超を記録したファンタジー映画『神々の創造』の続編が含まれていることを挙げた。 「IMAX Chinaは、壮大なハリウッド映画や、我々の独自のテクノロジーを使用して撮影された中国語の映画、コンサートのドキュメンタリー作品などを通じて、あらゆるコンテンツに没入体験を提供できる立場にあります」と現在40歳のCEOは語った。 投資家も彼の考えに同意している模様で、香港市場に上場するIMAX Chinaの株価は、年初来で約13%上昇している。 北米にルーツを持つIMAXは、過去20年間で中国の娯楽支出のブームに乗り、現地で750以上の劇場に7万以上のスクリーンを持つネットワークを構築した。これは、同社の米国事業の規模(2020年時点で約400の劇場に4万スクリーン)を大きく上回っている。 同社は1990年代に中国に上陸し、科学関連のドキュメンタリー映画を政府系のパートナーと製作することで初期の成功を収めた。IMAXの中国での最初の顧客は上海の政府機関で、最初の作品は『パンダ・アドベンチャー』という映画だった。IMAX Chinaは、2015年に香港証券取引所に上場している。