”モテない男は幸せそうに見えない”は本当なのか…人生における「幸福」の決定要素は自分が承認されているという感覚だけである理由
価値観の99%は他人が作った概念でできている
そもそも、学問にせよ、芸術にせよ、スポーツやゲームであっても、どのジャンルも過去から現在にかけて多くの他人が創り上げてきたものだ。どんな芸術性があり、どんな研究が研究として価値を持つかといった諸々は、他人にすべてを決められているものではないにせよ、他人の価値観(つまり他人の視線)の影響を受けている。 価値観として個人が自分の自由や創造だと考えているものは、他人が築いた価値観にごく小さなものを付け加えたか、いくつかの選択肢の中から何かを選び取ったに過ぎない。 特定の専門のジャンルでなくても、「美しい響きの言葉」とか、「正義」といった価値尺度は、過去から現在にかけて他人が形成した夥しい感じ方の影響を受けている。 人間は、自分だけで価値観を形成して自分を満足させられるほど高性能にはできていない。 その証拠に、「他人の評価は関係ない」と言い張る当人が、芸術作品や論文を世間に発表するではないか! 図/書籍『経済評論家の父から息子への手紙』より 写真/shutterstock
---------- 山崎元(やまざき はじめ) 1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会多数。ズバリ語る辛口の経済解説、マネーコラムで人気を博している。 ----------
山崎元
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