フランス大統領に圧力、新首相の早期指名求め-ルペン氏らも面会要求
(ブルームバーグ): フランスではバルニエ内閣の総辞職に伴い、暫定予算案の年末の成立期限が迫る中で、マクロン大統領の盟友らの間から早期の新首相指名を求める圧力が高まっている。
首相候補に名前が挙がる中道派のベテラン政治家、フランソワ・バイルー氏は先週末、「このままではいけない」と警告。マクロン大統領を支える中道・与党連合のヤエル・ブロンピベ国民議会(下院)議長も8日のラジオ番組で、「数時間以内」に新たな首相を指名するよう要求した。
バイルー氏以外では、首相経験者のベルナール・カズヌーブ氏(61)とジャン・カステックス氏(59)、アタル内閣で国防相を務めたセバスチャン・ルコルニュ氏(38)らが有力候補と目される。
国民議会では4日、左派連合「新人民戦線」に最大議席を持つ極右・国民連合(RN)が同調する形で、バルニエ首相率いる内閣への不信任決議案が賛成多数で可決され、フランス政治システムの混迷が深まった。
フランス内閣への不信任可決、58年以降最短で総辞職-混迷深まる恐れ
マクロン大統領は数日中に新首相を指名する考えであり、次の首相が国の機能維持に向け、12月半ばまでに暫定予算案を成立させると述べた。
バルニエ氏より長く続けることができる首相の選定プロセスを開始するため、マクロン氏は主要な政治指導者らと6日に会談。中道・与党連合だけでなく、中道右派の政治家や社会党の議員らとも協議した。
マクロン氏は9日に共産党および緑の党の議員らとも会う予定だが、マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いるRNとは、今後の話し合いを示唆していない。
RNのバルデラ党首はフランス3のテレビ番組で、「レッドライン(越えてはならない一線)をわれわれが示せるようマリーヌ・ルペンと共に面会を求める。われわれが存在しないかのように振る舞うことはできない」と語った。
一方、ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のシニア地理経済学アナリスト、アントニオ・バローゾ氏らは「支出凍結につながる膠着(こうちゃく)状態が長引けば、バルニエ内閣の政府予算案で提示されたと同程度か、それを上回る財政再建効果もあり得るだろう」と分析した。