能登半島地震発生から半年 石川県輪島市町野町出身のシナリオライターが見つめる“ふるさと”の今
6月23日にはUNIQLOさんが町野町に出張販売にいらしてくれましたが、衣類の全てを買い直すのは、本当に途方もないことだと思います。これは町野町だけではなく、奥能登全体で直面している課題です。 〇被災者を狙い撃ち・・・続く窃盗被害 発災から被災地での窃盗被害が続いています。先日は、家の外に設置していたボイラーが、そっくりそのまま無くなっていました。写真を見て頂ければわかりますが、簡単に持ち出せるようなものではありません。重いものを簡単に運び出せるよう、周到な準備をして被災地に入っていることが伺えます。ボイラーのほか、エアコンの室外機やまだ使う予定のものなどが、無くなったという話も聞いています。被災地を狙い撃ちする悪質な窃盗が今も続いています。危険と隣り合わせで、自宅での生活再建に進もうとする人たちに対して、あまりに酷い仕打ちです。 ○紙灯籠メモリアルとホタルの光 6月1日、震災復興子ども支援さんと町野復興プロジェクト実行委員会による『紙灯籠メモリアル』が、町野町第1団地前にて行われました。 みなさんの思いを込めたメッセージが記された能登窓岩をかたどった紙灯籠に、灯りが点され、黙祷が捧げられました。 紙灯籠の消灯後には蛍の光が灯っていて、なんとなく灯火が繋がっているように感じられたと参加された方からお話を伺いました。一周忌の一年目まで、この取組は続きます。本日7月1日も、町野町のみなさんの祈りの時間が設けられます。 この日だけでも、能登のためにほんの少しだけ祈りの時間を頂ければと思います。 MRO北陸放送では、被災地の声を集め続ける藤本さんが見つめる被災地の現状をNEWS DIGで、毎月掲載します。 ------------------------------------------------------------------------------------藤本透 シナリオライター。アプリゲーム『ノラネコと恋の錬金術』メインシナリオライター。『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2』のシナリオ執筆に携わるほか、様々なジャンルでの執筆を手がける。石川県輪島市町野町出身で、石川県を舞台に描かれたアニメ「花咲くいろは」の小説版を執筆。2024年1月1日の能登半島地震発生以降、SNSを通じてふるさとの情報を日々きめ細かく発信している。
北陸放送