能登半島地震発生から半年 石川県輪島市町野町出身のシナリオライターが見つめる“ふるさと”の今
町野町は、学区が広いため、中学生は舗装が剥げて砂利だらけの道を自転車通学で毎日通ります。せめて通学路を中心に整備を進めていただけるよう、願っております。 ○長期避難世帯の存在 6月20日、能登町の31世帯が、被災者生活再建支援法に基づく「長期避難世帯」に新たに認定されました。能登半島地震での長期避難世帯は輪島市の62世帯、珠洲市の37世帯、津幡町の8世帯と、合わせて4市町で138世帯がこれまでに長期避難世帯として認定されています。町野町では、認定されていないため地名は伏せますが、同等の被害を受けている地区があります。 裏山の土砂崩れにより、土砂によって流された家が道路を挟んで向かい側の田んぼにまで到達しています。 約3~4mほどの土砂の中に、辛うじて家の屋根を見ることができます。所有者の方は、「ここまでなにもなくなると、あっけにとられて悲しさはない」と仰っていました。 なまじ全貌が見えてしまっている倒壊家屋は、どうにか大切なものや思い出の品だけでも取り出そうという気持ちになりますが、ここまで土砂に埋もれてしまっては、公費解体においても解体がなくても土砂と同時に撤去という扱いになるとのことで、もうどうすることもできないことがわかります。これからの梅雨や台風の季節で、こちらの裏山は更なる崩壊の危険性が高まります。 家屋の倒壊は、地震だけではなく、雨風でも起こりうる、新たに倒壊しうること、危険がまだ続いていることをどうか知っていただけたらと思います。 ○仮設住宅の完成 5月末、町野町に2箇所目となる仮設住宅、「町野町第2団地」198戸が完成しました。車を失った方や、広域避難中の方は避難生活中に自宅や畑の様子を見に行こうにも、その手段が限られており、非常に苦心しておられました。 運転のできる家族に頼むにしても、いつでも好きなときにお願いできるわけでもなく、家族の元で避難生活を送っている方でもぎくしゃくし始めているという状況がストレスとなっておりました。