能登半島地震発生から半年 石川県輪島市町野町出身のシナリオライターが見つめる“ふるさと”の今
仮設住宅への入居がはじまり、自宅にも比較的近い町野町に戻ったことで、これまでの生活どおりとはいかないものの、落ち着きを取り戻された方も多くいらっしゃいます。ある仮設住宅では、プランターを使って家庭菜園で、大葉やバジル、プチトマトなどの栽培を始められる方も増えてきました。元の家の近くの畑に戻るのは今は難しくても、少しでも農作業に触れていたいという工夫が伺えます。 その一方で、避難生活を続けているのに仮設住宅に入ることが出来ない方の不安や焦りが募っています。それでも、8月までに希望者全員がふるさとに帰れるという言葉を、今は信じるしかありません。 ○今、被災地に必要な「夏物衣類」 例年より遅い梅雨入りの前に、真夏の暑さが続いていました。家屋の全壊等で衣類を失った人に衣類を届けようと、輪島市のパン屋さん「くまのおうち(ニューフルカワ)」さんが、夏服の支援を募り、全国から多くの衣服が集まりました。 古着は仕分けや保管・管理が非常に難しいのですが、ご支援いただいた全国のみなさまと、くまのおうちさんのご厚意でたくさんの衣服を輪島市と珠洲市の方にお届けできたそうです。 古着であっても多くの人が集まったことからもわかるように、本格的な夏を前に、夏物衣類の不足が深刻です。 発災時が冬であったため、冬物衣類はかなりのご支援を頂けましたが、季節がうつろった今は、夏物衣類やサンダルなどが圧倒的に不足しています。 町野町では、多くの家屋が倒壊し、建っている家も雨漏れがひどく衣類は全滅している方、衣類を取り出そうにも壁や天井が崩れ、家具も薙ぎ倒された状態で片付けが進められず、タンスにまで到達できない方など、事情はさまざまですが、お困りの方がまだまだ多くいらっしゃるのです。 商店も地震の被害を受けて閉店しることから、購入する店もありません。どうにかして救い出した服を2、3着で着回しているなど、洗い替えもない方のお声も伺っております。