能登半島地震発生から半年 石川県輪島市町野町出身のシナリオライターが見つめる“ふるさと”の今
多くのニュースなどで報じられているように、外観を基準とした一次調査では正確な被害状況がわからないことから二次調査が進められております。 外観としては損傷が軽微に見えたとしても、内部は柱が折れるなどして、倒壊の危険が強まっている家屋は、まだまだ多くあります。 町野町では、余震が起きたこと、新たに倒壊した家屋が出たことが起因してか、緊急解体が進みはじめました。 余震から2日後の6月5日には、電柱から垂れ下がったままだった電線の撤去も始まりました。また、5月28日には環境省より「令和6年能登半島地震によって損壊した家屋等に係る公費解体・撤去に関する申請手続き等の円滑な実施について」の周知がなされました。 この周知では、建物性が失われた倒壊家屋等に対して職権滅失登記を実施することで、所有権者等の全員の同意がなくても公費解体・撤去が進められることになりました。これにより、輪島市河井地区の全焼区域の公費解体が急速に進み始めました。危険な場所が少しずつ改善されてきたことで、復旧への兆しが見え始めています。 〇倒壊家屋、土砂崩れが多数、道路も条件付きで通行可能に 町野町は倒壊家屋が多く、町野平野を囲む山地では土砂崩れが多数起こっております。通行することができなくなった道もあれば、啓開により、地元の人や工事の方に限りという条件つきで通行が出来る道もあります。 その道も山の斜面は倒木などがまだ折り重なったまま。決して安全とは言い難い状況であることがわかります。それでも、国道249号が大規模崩落で通ることができない今の状況では、公共交通機関も利用する大切な道なのです。 町野町では、少しずつ道の舗装が進み始めました。アスファルトが剥げ、段差や砂利だらけの道もまだ多いですが、舗装された道路が出てきたことで、次の順番がここにくるかもしれないという希望が持てるようになってきております。