50歳会社員、妻に「老後は毎週末外食、年に1度は台湾旅行がしたい」と言われています。年金が「月20万円」ほどですが、実際に叶えるにはいくら“収入”が必要でしょうか?
50歳以上になると「老後の暮らし」が今まで以上に現実的なものとなり、定年退職後はどのような生活になるのか、家計的には大丈夫なのかと考える機会も増えるのではないでしょうか? 具体的なライフプランを計画することも大切ですが、老後資金は問題ないか、もし不足する場合はいくら稼がなければならないのか明確にする必要があります。 本記事では、夫婦2人暮らしで「毎週末外食をして、年1回台湾へ旅行する」ケースを想定し、65歳から夫婦合わせて毎月20万円の年金をもらえる場合、老後の資金繰りはどうなるのか解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
老後にかかる生活費はいくら?
総務省統計局が公表している家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果によると「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の実支出は28万2497円です。実際は生活環境によって変動しますが、30万円近い支出が発生することが分かります。 その一方で、65歳以降にもらえる年金は今回のケースでは月20万円のため、年金以外に収入や預貯金などの資産がなければ8万円から10万円近く赤字となってしまいます。赤字家計に陥らないようにするためには、現役時代にできる限り貯金を増やす、生涯現役で老後もできる限り働いて給料を得るなどの対策が必要です。
「毎週末外食・年1回の台湾旅行」で支出はいくら増える?
老後も外食や旅行もして余暇を楽しみたいと考える人は多いと思われますが、実際に支出がどのくらいかかるのか気になるところです。 総務省が公表している家計調査(家計収支編)の2023年調査によると、一般外食費は50歳から54歳は1万5910円、65歳から69歳までは1万398円となっていて、65歳以降は年代が上がるほど外食費は減る傾向です。 仮に毎週末2人合わせて「ランチ2000円、ディナー5000円」かかるとすると、1ヶ月あたり2万8000円となり、平均的な一般外食費に比べると2倍以上の支出が発生することが分かります。 また、旅行については「年1回の台湾旅行」と言っても、時期はもちろん個人旅行やツアー旅行、飛行機便の時間、ホテルのランクや場所などによって費用は大きく異なります。今回は、仮に大手旅行会社のJTBが提供するツアー旅行の中から以下の内容、条件で選択してみましょう。 ●旅行区間:東京(羽田)―台北 ●出発日:2024年11月11日(月)~11月14日(木)の3泊4日 ●部屋・人数:1部屋・大人2人 会社のホームページで上記内容を入れて検索すると、フリープランや「はじめての台北」「夫婦おとな旅」「こどもが楽しめる旅台北」など、さまざまなプランが出てきます。 例として「台北1都市滞在4日間 夫婦おとな旅台北」を選択すると、ツアー代金は大人1人概算で11万7900円、夫婦合わせて23万5780円かかります。食事は「朝3回/昼0回/夕1回」ついていますが、それ以外は自分たちで負担する必要があります(2024年10月18日時点)。 せっかく旅行をするからには、過度の節約はせずに食事や観光を楽しみたいと考えるのも自然でしょう。仮に全部で1人15万円かかり、毎年同規模の旅行をする場合は毎年30万円程度の費用を見込む必要があります。外食費と合わせると年間で63万6000円(月額5万3000円)支出が増える計算です。