新型EV「エースマン」は、電動SUVであってもミニらしいのか?デザイナーが語る、ミニであり続ける4つの意識
■コンパクト化+αの価値創出 ただ、サイズのコンパクト化では“商品性が足りない”と考えたのだろう。エースマンは、フェンダーを強調することで、走りがよさそうな印象を強調。同時に内装デザインを凝ったものにしている。それはドアを開けると驚くほどだ。 「今回はじめて、デザイナーはいつもと違ったことに挑戦したんです。通常であれば最初にスケッチを描きますが、エースマンのインテリアでは、まず考えたんですね。たとえば”夜のドライブでどんな体験をしてもらえるといいんだろう”って」
それを象徴しているのが、かなり凝った車内の照明だろう。ミニ・カントリーマンで始まった、車内各所に照明を当てるというコンセプトがさらに推し進められているのだ。選ぶドライブモードに応じて照明の色がダッシュボード、ドア内張り、さらにスライディングルーフまわりまで投影され、幻想的な印象すらある。 同時に、「3Dマテリアル」とハイルマー氏が呼ぶ、テキスタイル(一般的に布や織物などの素材や柄などを表す言葉)の使用範囲を大胆に拡大。ミニ・エースマンではダッシュボード全体を覆う。
テキスタイルは、スニーカーから着想を得た素材とのことだが、ざっくりした素材感にとどまらず、グラデーション的に色を変えていくデザインもユニークだ。このテキスタイルを用いたデザインは、マクラーレンが2024年10月に発表して話題を呼んでいるスーパースポーツカー「W1」で同様の手法を使った例ぐらいしか、私は知らない。 ■デザインで意識していること、そして未来のカタチ 「私はデザインチームに、4つを意識するようにと伝えているのです」。かつてBMWデザイン部で内装担当のデザイナーを務めていたハイルマー氏は語る。
Heartbeat(ハートビート:積極的なブランドへのかかわり)、Curiosity(キュリオシティ:いろいろなものへの好奇心)、Responsibility(レスポンシビリティ:作り出すものへの責任感)、Daredevil(デアデビル:挑戦を恐れないこと)です」(カッコ内は筆者の解釈) 「エースマンでは、レザーでなく、あえて新しいマテリアルに挑戦し、デザインの自由度を拡げ、独自性を追求しています。それに新しいテクノロジーをインフォテインメントシステムに使い、(ナビゲーションシステムが作動しているときの矢印をミニの形状にするなどして)乗る人がさまざまな“発見”を楽しめるようにしているのも、新世代のミニに盛り込んだアイディアです」
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