城氏がコロンビア戦を分析「香川はまだ森保Jに融合できていない」
堂安と、そこを追い越してくる室屋との右サイドでの連携もよかったが、そこから先のクロスの精度が不足していた。その部分のレベルを高めていかなければコロンビアのような格上には勝てない。 新戦力として期待された鈴木は、受けるよりも、スペースでボールをもらわないと持ち味を発揮できないタイプだ。大迫のようなキープ力がないのは苦しい。 ただ、オフザボールの動きが上手いしスピードもある。スペースに流れて動き、フィニッシュまでいく。中島のクロスにヘッドを合わせたシーンを演出したが、あれも大迫にはない鈴木の持ち味だろう。だが、せめて枠に入れなければならなかったし、競り合ってからのポストプレーも1、2回ほどしかなかった。森保ジャパンに求められるのは、そういうプレーヤーだろう。 もう一人のFW鎌田については15分ほどの出場時間しかなかったので今日の試合だけで評価するのは難しい。ディフェンスラインの裏への飛び出しにセンスは見せたが、どこまで起点として機能できるかが、生き残るためのポイントだろう。 ディフェンス面には安定感があった。山口、柴埼がうまくバランスを取りながら、中島、南野、堂安の3枚にも、ディフェンスの意識と運動量が備わっていて数的不利な状況をワールドクラスの攻撃力を持つコロンビアに対して作らなかった。最終ラインもコンパクトで押し上げもあった。ハンドの反則による不運なPKでの失点と、立ち上がりにも決定的なピンチを作ってしまったが、あそこは相手が一枚も二枚も上。ただ、ディフェンスに関しては対人も強かったし、チームとしてのまとまりはあったと思う。 昨年のロシアW杯のグループステージの初戦で日本はコロンビアを2-1で破る金星を挙げた。今回は0-1で敗れたわけだが、あの時の西野ジャパンと、今回の森保ジャパンを比較して、後者が劣っているわけではない。むしろ森保ジャパンの方が安定感は上だし強いと思う。まだまだチームは発展途上だが、期待値は高いのである。 (文責・城影二/元日本代表FW)