焼津市で8日に撮影された土星食。月の裏側から土星が姿を現した（ディスカバリーパーク焼津提供。映像から6コマを切り出して上から順に並べた）

　焼津市のディスカバリーパーク焼津天文科学館がこのほど、土星が月に隠れる「土星食」を天体望遠鏡で撮影した。動画投稿サイト「ユーチューブ」の同科学館の公式チャンネルで映像を公開している。 　撮影は8日午後6時台。土星が月の裏側に潜って完全に姿を消し、約40分後に再び現れた。県内最大の口径80センチの天体望遠鏡を使い、土星の輪まではっきりと映像に収めた。 　同館天文担当の松永歩さんによると、本県付近から夜間に土星食を観察できる好条件がそろったのは2002年以来だという。次回は2037年。松永さんは「高倍率で画角が狭い望遠鏡のため、特に土星が月から出る瞬間を収めるのが難しかったが、きれいに撮影できた。不思議な現象を映像で体感してほしい」と話した。