ビックカメラが進めるEC戦略とは? 店舗+EC併用ユーザーは購買金額・購入頻度が店舗のみの2倍超でクロスユース促進
ビックカメラが品ぞろえ強化や非家電商品の売上拡大、店舗からECへの送客強化を進めている。
2024年8月期の経営戦略として重要経営課題にあげているのは「ビックカメラらしい強い店舗を取り戻す」を掲げ、「サステナビリティ経営」「店舗」「グループアセット」「インバウンド」「品ぞろえ」「EC・物流」。ECサイトの品ぞろえ増強、ECへの送客強化と物流課題解決に向けた取り組みを掲げる。
ECを中心に非家電商品を拡充しており、購買頻度の向上、リピート顧客の拡大を狙う。非家電商品のEC売上高推移について、2023年8月期は2019年8月期比で95%増えた。なかでも医薬品・日用雑貨は同152%増、文房具は119%増、メガネ・コンタクトは110%増と順調に伸びている。EC事業はコロナ禍による巣ごもり需要の反動減の影響を受けたが、ユーザー数やリピーターは着実に増えていると説明している。 ECにおける品ぞろえ拡充の目標として、3年後までに約2倍をめざす。商品情報やサイト内検索機能の拡充、在庫引当率の改善なども進めて使いやすいECサイトを追求し、リピート顧客の拡大を図る。2023年8月期時点で332万SKUの掲載数を、2026年8月期までに約2倍まで伸ばす考えだ。
店舗からECへの送客強化も図る。2023年3月から2024年2月の1年間における購買チャネル別会員比率について、店舗とECを併用する会員は10%だった。併用ユーザーは、店舗のみの会員と比べ購買金額が2.8倍、購買頻度は2.2倍と高い。店舗からECのクロスユースを促していく。
物流について、物流子会社2社の統合によって内製化したビックロジサービスを生かし、物流の効率化・コスト削減を進める。「商慣行の見直し」として、トラックバース予約システムを導入し荷待ち時間の削減に努める。2021年にシステムを導入した拠点では待ち時間2時間以内を実現しているという。 「物流の効率化」では、長距離輸送において鉄道輸送を導入、CO2排出量の削減も図る。再配達削減に向けた取り組みとして、即日配達や時間指定配達の充実、ポストイン配送や店舗受け取りの拡大に取り組む。ポストイン配送ではメール便の活用でポイントを付与するキャンペーンも実施している。