<ラグビー>サンウルブスは初参戦のスーパーラグビーで勝てるのか?
もっとも道のりが険しいのは、参戦に立候補した2014年から予想されていた。サンウルブズというプロジェクトは、日本人選手の国際経験の多様化のためのツールである。2019年の自国開催ワールドカップを控え、ナショナルチームの強化を後押しするのが真の狙いである。 何より、苦しいのは承知で「勝ちに行く」というのが、初代サンウルブズメンバーの決意である。南半球主体のコンペティションへ、北半球で初めて挑む者として…。堀江はかねてから、こんなプランを描いていた。 「コミュニケーションが取りやすいチームにしたい。(所属選手が国内などで在籍する)各チームの考え方をくみ取って、(その内容がサンウルブズにとって)使えるか使えないか、通用するかしないかを見ていきたい。一番よくないのは、アイデアがあるのにそれが出ないこと。考えていること、自分が思っていることを出せる雰囲気にしたい」 関わる人たち全ての思いを引き出し、ひとつの生命体にまとめ上げる。グラウンド内外におけるハードワークで、格上からも勝利をもぎ取る。発足初年度のサンウルブズは、堀江を中心にかような文化を醸成してゆく。「現状では厳しい」と言った大西も、こんなエールを送るのだった。 「いま、急ピッチで準備をしていると思いますが、やることはすべてやった、と言える準備をやっていただけたらなと。1勝をするのも難しい戦いが始まると思うのですが、我慢して、信じたら1勝はできる」 チームは14日から9日間、沖縄でキャンプを敢行。そして27日、東京は秩父宮ラグビー場でライオンズとの開幕節に挑む。 (文責・向風見也/ラグビーライター)