日々のストレッチでフレイルを予防 柔軟性の大切さを理学療法士に聞く
効果的なストレッチの方法とは?
編集部: 自分の体の柔軟性を手軽に知る方法はありますか? 白土さん: ここでは上半身と下半身のそれぞれについて一つずつ紹介します。1つ目はバックスクラッチテストという上半身、特に肩の柔軟性を評価するテストです。両足を肩幅に開いてまっすぐに立ち、片腕を上から、反対の腕を下からそれぞれ背中(後ろ)に回して、両手の指先が余裕を持って届くか(もしくは握れるか)どうかを試してみてください。左右を変えて、違いがないかも確認してみてください。 編集部: もう1つの方法はどのようなものですか? 白土さん: 2つ目は、椅子に座ったままおこなう体前屈のテストです。一般的な椅子に浅く座った状態で、片足を前方に伸ばして踵を床につけ、反対の足は膝を90°に曲げた状態がスタート位置になります。両手の中指を揃えた姿勢から前屈し、つま先に余裕をもって触れるかどうかを試してみてください。足を替えて、左右差がないか確認します。いずれのテストも届かない場合は、上半身(特に肩)、下半身のそれぞれが硬いと言えるかもしれません。 編集部: 自分でできるストレッチの方法について教えてください。 白土さん: おすすめするストレッチメニューを3つ紹介します。1つ目は、「大殿筋ストレッチ」です。椅子に腰掛けた状態から、片足を反対の足(膝の上)に乗せます。胸を張ったまま、前に倒し、お腹と足をできる限り近づけます。この状態を10秒キープし、左右2~3セットおこなってください。 編集部: 2つ目のストレッチはどのようなものですか? 白土さん: 2つ目は、「股関節内転筋群(内もも)ストレッチ」です。椅子に浅く腰掛け、両足を大きく開きます。両ひざに手をつき、胸を張ったまま、前に倒し深くおじぎをします。この状態を10秒キープし、2~3セットおこなってください。 編集部: 3つ目のストレッチについても教えてください。 白土さん: 3つ目は、「上半身のストレッチ」です。立位または椅子に座った状態でおこないます。背筋を真っ直ぐに伸ばした姿勢から、両手を真上にあげ、頭上で握ります。右にゆっくりと倒して、その姿勢を10秒キープします。反対もおこなってください。ストレッチは、急激におこなうと痛みを誘発したり怪我の原因になったりする可能性がありますので徐々に開始してください。 編集部: ストレッチをおこなう上で、効果を高めるためのポイントはありますか? 白土さん: 姿勢を保持しながら筋肉を伸ばすストレッチ運動については、その持続時間がポイントになります。最近の研究では、少なくとも15~30秒程度以上維持することが効果を得るために重要とされています。また、ストレッチを実施するタイミングとして、家事や仕事で少し疲労感が出現した際や、お風呂上がりのリラックスした際などでおこなってみてください。