日々のストレッチでフレイルを予防 柔軟性の大切さを理学療法士に聞く
日常生活で柔軟性を高める
編集部: 柔軟性を高めておくことは、日常生活にどのようなメリットがありますか? 白土さん: 十分な柔軟性を維持することで、階段の昇り降りや靴・靴下の脱着、高い位置の物を取るなど日常生活の活動をスムーズにおこなうことにつながります。また、日常生活での活動を活発に継続することは、転倒の予防や筋量・筋力の低下した状態であるサルコペニアの予防につながる可能性があります。 編集部: ストレッチをする上で、注意すべき点はありますか? 白土さん: 過度な痛みには注意が必要です。ストレッチをおこなう際に痛みを感じたり、無理な力がかかったりする場合は即座に中止し、無理に続けないようにしましょう。痛みを感じた場合は、難易度を修正して無理なくおこなうことを心がけてください。 編集部: その他、ストレッチをおこなうにあたってアドバイスはありますか? 白土さん: ストレッチの効果を実感するためには、日常的におこなうことが大切です。ストレッチは、週5日以上、週合計5分以上(1日1分以上)実施することが十分な効果を得るために必要だといわれています。ぜひ、生活にストレッチを取り入れてみてください。
編集部まとめ
身体の柔軟性は20代後半から低下し、70代になると一層身体が硬くなるとのことでした。身体の柔軟性に早い段階で目をむけ、簡単なストレッチから取り組むことで、フレイルの予防にも繋がるということを学びました。運動と同様に継続することが大切とのことでしたので、皆さまも無理なくできる範囲で生活の中にストレッチを取り入れてみてはいかがでしょうか。
【この記事の監修理学療法士】
牧迫 飛雄馬 理学療法士 2001年国際医療福祉大学理学療法学科卒業、2009年早稲田大学スポーツ科学学術院博士後期課程修了。国際医療福祉大学病院、リハビリ推進センター株式会社、札幌医科大学特任助教、日本学術振興会特別研究員(PD)、ブリティッシュコロンビア大学(Research Fellow)、国立長寿医療研究センター予防老年学研究部健康増進室長を経て、2017年より現職。日本老年療法学会副理事長、日本転倒予防学会理事など。
Medical DOC