淡いピンク色の花が特徴的だ

日本三大桜に数えられる「エドヒガン」。花は小さい一重咲きで、色は淡い紅色。野生種であるため、花が白い変異種も見られる。また、開花後に葉が開くのが特徴だ。 【写真】「エドヒガン」が見られるおすすめの花見スポット7選 ■彼岸のころに咲き誇るエドヒガン(江戸彼岸) エドヒガンの名前は、春の彼岸花が咲くころに開花することが多かったことに由来しているのだとか。この美しい花々は「江戸彼岸」と呼ばれ、その名称が時を経て「エドヒガン」として定着したという。彼岸に咲く美しい姿で、人々に穏やかな春が訪れたことを告げる。 関東地方では、開花時期が3月中旬と「ソメイヨシノ」よりも早い。また、エドヒガンは一般的に「彼岸桜(ヒガンザクラ)」とも呼ばれ、この名を冠する桜にはエドヒガン以外にも、江戸彼岸と豆桜の雑種とされる「コヒガン(小彼岸)」や、富山県南砺市に自生地のある「越の彼岸」、枝の垂れた「しだれ彼岸」などがある。 さらに樹齢1000年を超え、長野県の天然記念物にも指定されている中曽根のエドヒガンや、岩手県盛岡地方裁判所前にある石割桜、山梨県の山高神代桜など、エドヒガンの名木も多くある。 ■おすすめの「エドヒガン」が鑑賞できる桜の名所・お花見スポット 「エドヒガン」が鑑賞できる全国の有名なスポットを紹介。 ■石部桜 - 福島県／例年の見ごろ時期：4月中旬～4月下旬 石部桜は樹齢約650年といわれるエドヒガンで、中世会津の領主葦名氏の重臣、石部治部大輔の庭にあったと伝えられている。10本の幹からなり、枝張は最も広いところで約20メートルもあり、のびのびと枝を広げるその雄大な姿は見る者を魅了。また、周囲が田んぼで囲まれているのでひと際目立っている。 ■わに塚のサクラ - 山梨県／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月上旬 のどかな田園の中の塚の上にある、樹齢約330年のエドヒガンザクラ。残雪の山々をバックに咲き誇る姿は圧巻で、訪れる人々を魅了している。2024年3月29日(金)～31日(日)の10時～15時には「わに塚のサクラまつり2024」を開催(※雨天中止)。 2024年3月28日(木)～4月3日(水)の18時～20時(予定)にはライトアップが行われ、昼とは一味違った幻想的な姿を楽しめる。なお、3月28日(木)18時からは点灯式を開催。 ■大野極楽寺公園の桜 - 愛知県／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月中旬 木曽川の河川敷に位置し、一宮市の観光、レクリエーションの拠点となっている公園。公園の南側は国指定名勝および天然記念物である木曽川堤の桜並木に隣接しており、サイクリングロード沿いではエドヒガンザクラやしだれ桜、山桜を観賞できる。また、エドヒガンは「ソメイヨシノ」よりも早く開花するため、ひと足先に春の訪れを感じさせてくれる。 公園の管理事務所の東に位置する「桜の園」エリアでは、約600本のソメイヨシノを始め、エドヒガンからヤマザクラまで、さまざまな種類の桜が長い期間にわたって楽しめるのが魅力。 さらに、園内に設けられたBBQ広場(有料)では、桜を眺めながらバーベキューを楽しむことができる。加えて、レンタサイクルサービスも提供されており、桜並木を自転車で巡るのもおすすめだ(※バーベキュー料金・プランなどは公式サイト等で要確認)。 ■呉羽山公園の桜 - 富山県／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月上旬 呉羽山は、富山市西部に位置する標高70メートルの小高い山。ソメイヨシノやエドヒガンなど、約500本の桜が植えられている。なかでも市街地を一望できる頂上からの眺めはすばらしく、遠くに残雪の映える立山連峰が広がる。 美しく咲き誇る桜と残雪の立山連峰が織りなす、絶妙なコントラストが見どころだ。 ■道成寺の桜 - 和歌山県／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月上旬 能や歌舞伎で有名な安珍・清姫伝説の舞台として知られる道成寺。エドヒガンやソメイヨシノなどが順次開花していくので、長くお花見が楽しめる。2024年のエドヒガンは暖かさの影響で開花が例年より早まる見込みで、3月14日(木)～16日(土)ごろに開花するという予測に。 宝仏殿では国宝の本尊千手観音をはじめ二十数体の仏像群が拝め、縁起堂では絵巻を見ながら「絵とき」を聞くことができる(有料)。また、2024年3月31日(日)には「桜・舞・道成寺」が開催。2024年3月20日(祝)～4月8日(月)の10時～15時には、春の本堂無料公開が行われる。 ■吉良のエドヒガンザクラ - 徳島県／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月上旬 徳島県指定天然記念物のエドヒガンは、樹齢約400年。幹周りは約4.5メートルでこの種の桜では県内でも最大規模を誇る。地上1.5メートルから三岐し、大きく枝を広げているために、春には満天を薄紅色に染め上げたような美しい眺めを呈す。夜に見る姿はまさに圧巻。開花期間のみ臨時駐車場あり。 周辺には温泉もあるため、桜鑑賞後の予定も決めやすい。隣には忌部神社もあるので花見前後にお参りすることもできる。 ■虎尾桜 - 福岡県／例年の見ごろ時期：3月下旬～4月上旬 新緑の山の谷間で、待ちわびた春を謳歌するように濃いピンクの花を咲かせる一本桜。福岡県下最大のエドヒガンと言われ、樹齢600年とされる。枯死寸前であったにもかかわらず、人々の懸命な努力で蘇り、見事な花を咲かせるように。その桜の美しさと生命力は圧巻だ。 例年、3月下旬～4月上旬ごろにかけてが見ごろの時期となる。