専門医に聞く令和の最新“妊活”事情！男性不妊に役立つ「メイルテック」ってなんだ？
妊活を始めてから1年以上経っている場合は、不妊症の可能性が高い。そして不妊症になる原因の半分は、男性側にあるといわれている。 ▶︎すべての写真を見る 不妊症は婦人科や泌尿器科で治療するのが一般的だったが、最近は技術や商品、サービスを使って症状を改善させる「メイルテック」が注目されているようだ。
今回は、女性医療クリニックLUNAの理事長・関口由紀医師に、妊活事情やメイルテックを活用した男性不妊の解消法について伺った。
専門家が解説する現代の妊活事情
ーー不妊の原因は、50%ほどが男性側にあるといわれていますが、どのような症状が関係していますか？ 症状というより、単純に精液に含まれる精子数が減っていることが関係しています。 30年前は精液1ccあたり平均6000万～8000万個ほどの精子が含まれていましたが、現在は3000万～4000万個ほど。1ccあたり1000万個以下になると自然妊娠が難しくなります。実際、射精した精液中に精子が含まれていなかったこともあるので驚きです。 また精子が含まれていても、運動率が50％以下の場合は受精できないため、質が良くないといえるでしょう。精子の数や質で生活に支障をきたすことはありませんが、子孫繫栄に大きな影響を与えます。 ーー精子の数や質以外には、妊活でどのような問題が起きていますか？ そもそも、女性との性行為経験が少ないことが原因で、妊活を楽しめず諦めてしまうケースがあります。 また男女ともに結婚する年齢が高くなり、35歳前後で妊活を始めるカップルが増えてきました。 妊活は35歳前後から始めても問題ありませんが、10～20代に比べると生殖能力が衰えるため、自然に妊娠しづらくなっています。
男性不妊の原因は生活習慣や性行為の頻度が影響？
ーーずばり男性不妊が起こる原因は何ですか？ 男性不妊の原因はさまざまですが、生活環境や食事を含む生活習慣、ストレスなどが関係しています。 食事は栄養が偏っていたり、防腐剤が使われているコンビニ弁当を食べたりすると、不健康な状態になりやすいです。またストレスの多い環境で、睡眠不足など不規則な生活習慣をしている場合も注意が必要です。 20～30代前半は問題ないかもしれませんが、年齢を重ねるごとに体の調子が悪くなるでしょう。同時に精子の数や運動率が低下するリスクが高くなります。 ーー性行為は男性不妊と関係していますか？ 性行為の頻度も関係していますね。 以前まで射精は、5日ほど我慢した方が良いといわれていました。しかし、現在は性欲があるときに射精するのが良いといわれています。精子は女性の腹腔内で5日ほど生存するため、3～5日に1回の頻度でセックスを行うと妊娠しやすいです。 3～5日に1回よりも頻度が少ない場合は、女性の排卵とのタイミングが合わず、妊娠につながりにくくなるでしょう。また運動して筋肉量を上げると、男性ホルモンのひとつである「テストステロン」が増加します。これにより性欲が高まるため、セックスに前向きな方が多いです。 反対に日頃の運動力が少ない方は、男性ホルモンが減少しセックスへの意欲も低下するため、妊活が長引いてしまいます。
