西日本豪雨から6年…甚大な被害受けた“肱川流域”で進む復興まちづくりと災害への備え
野村ダムでも新しい放流設備の基礎を建設中
場所は変わって野村ダムです。 肱川ダム統合管理事務所 多田寛管理課長: 「下をのぞいてもらうと青い四角があるが、あそこにゲートができるようになる」 こちらでは、既存のダムに穴を開けて新しい放流設備を取り付けるための工事が進んでいます。 現在新しい設備の基礎を建設中で、2027年度完成予定です。
このほか、東大洲地区では都谷川などの内水氾濫を防ぐため常設の排水施設を建設したり、より踏み込んだ流域治水プロジェクトを進め、官民が連携して治水能力の向上を目指していくということです。
これまで何度も浸水被害にあってきたイチゴ農家は
肱川の近くでいちご園を20年営む川本英男さんです。 川本さん: 「平成30年の西日本豪雨ではこのハウスの屋根の上、4メートル以上の濁流に飲まれたっていうのがありましてハウスの中の設備っていうのがかなりぐちゃぐちゃにやられました」
西日本豪雨に限らず、これまでに幾度となく浸水被害にあってきたこの場所。そのたびに川本さんは懸命に立ち上がってきたといいます。 川本さん: 「よっぽどの大雨でない限り洪水も起きないという安心感が出来ましたんで」 新たな堤防の完成後も万が一に備え、機材の移動方法などを考えているという川本さん。これからも肱川のほとりでイチゴを育てます。
地元でどんな被害があったのか…親子で学ぶ備えの大切さ
肱川に隣接する大洲市の小学校では。参観日に合わせて小学4年生と保護者が一緒に災害への備えを考える授業が行われていました。 大洲河川国道事務所 堀本隆一水防企画係長: 「肱川ではどのような災害や被害があったのか書きましょう」 肱川の特徴や6年前の西日本豪雨でどんな被害があったのか。親子で話し合いながら地域の災害や必要な備えについて学んでいきます。 堀本さん: 「災害が起こった時のためにいろんな情報を調べておくということも大事な備えのひとつです。今日帰って家庭の方でどんなことができるか話してもらったら」 堤防が完成してもなくなることはない災害。流域全体で防災意識を高めていくことが次の災害で被害を減らすためにも重要です。 児童: 「肱川でなぜ洪水が起きるのかよくわかってよかった」 保護者: 「安心して暮らせるようになったと言われているが、自然のことなのでどんな大雨が降るかわかりませんので備えというのは大事」 児童: 「いつも警戒しておかなければいけないんだなと思いました」 保護者: 「何か起きたときにいつも備えはきちんとしておかなくちゃと思っているが、いざやるとなるとあとでいいかとなっているので、こういう機会のたびにきちんと備えをしておかないといけない」