西日本豪雨から6年…甚大な被害受けた“肱川流域”で進む復興まちづくりと災害への備え
2032年度完成を目指す「山鳥坂ダム」の現状は
野村町よりも下流にある肱川の支流 河辺川です。 山鳥坂ダム工事事務所 弘田真一副所長: 「まさしくここにダムができる。山鳥坂ダムの主な目的は洪水調節。それから流水の正常な機能の維持」 新しいダム建設のための工事が進められていました。
弘田さん: 「あそこに見えますが一番上に黒と白の表示板があるが上のところがダムの高さになる」 2032年度の完成を目指す「山鳥坂ダム」。建設中の今しか見られない3つの空間を案内してもらいました。
最初に向かったのは、河辺川のすぐ近くまで降りた場所にある、長さおよそ90メートルの真っ暗な洞窟。 弘田さん: 「今入ってきて15メートルくらい。ここから奥の強い岩盤の上にダムを建設する」 周辺の100か所以上で地質調査を行っている山鳥坂ダム。その時に掘られた横穴のひとつが、この洞窟のような空間なんです。 弘田さん: 「大きい構造物が岩盤の上に乗るわけですからそれに耐えれる岩盤でなければいけない。岩盤の強度を確認する」 ダムを建設するときには埋めてしまうので今しか見られない舞台裏です。
続いては現在工事中の長ーいトンネル。 弘田さん: 「これがコンクリートを打ち付ける作業。ここは特に橋とのつなぎの部分になるので鉄筋で沈まないように」 ダムによって河辺地区に向かう県道の一部が水没するため、新しい県道が作られています。
現在は一車線の県道。今回の工事を機に二車線を進め、より安全な県道として生まれ変わります。来年度には2つのトンネルも開通し、鹿野川地区からおよそ4キロの区間が新しい道に切り替わるということです。
最後は。 弘田さん: 「これが仮排水トンネル河辺川の水を下流に流すためのトンネル」 河辺川を迂回させるための全長670メートルのトンネルです。 「締め切りをするものが必要になる。ここを締め切ると川がこっちに流れなくなり、このトンネルを通って下流に抜けていく」 今後、建設工事が本格化する山鳥坂ダム。 弘田さん: 「一日でも早くダムが完成して治水効果、それからさきほどの付替え道路が一日も早くできて、住民の利便性が上がることを目標に進めていきたい」