「勝つために、自分たちのやり方に固執しなかった」女王の5連覇を食い止める“激勝”を手繰り寄せた、指揮官の決断|女子フットサル
【女子Fリーグ】SWHレディース西宮 5-4 バルドラール浦安ラス・ボニータス(11月16日/サイデン化学アリーナさいたま) 【画像】女子Fリーグベスト5にSWHレディース西宮の2人が選出! 11月16日、サイデン化学アリーナさいたまにて日本女子フットサルリーグ(女子Fリーグ)2024-2025の第15節が行われ、SWHレディース西宮とバルドラール浦安ラス・ボニータスが対戦。西宮は5-4で勝利した。 首位・西宮が勝ち点1差で迫る2位・浦安を迎え打った天王山。この試合に勝利すれば悲願の初優勝が現実味を帯びる戦いで、西宮が文字通り“死闘”を制した。先制しながらも逆転され、追いついては勝ち越される展開のなかで、3-4で迎えた33分に藤江沙樹が殊勲の同点弾を挙げ、35分に四井沙樹が古巣に決めた“恩返し弾”が決勝点となった。 残り1試合、西宮は優勝に王手をかけた。4連覇中の女王を下したことで勝ち点4差に広げ、浦安と同勝ち点で3位につけるアルコ神戸が17日の試合で敗れた場合、その瞬間に西宮の優勝が決定する。 激闘を終えた西宮の上久保仁貴監督と尾川奈穂が記者会見に出席し、興奮気味に試合を振り返った。
予想以上の頑張りがあったからこそ勝ち切れた
●SWHレディース西宮|上久保仁貴監督 ──試合を振り返って。 結果として、勝ち点3を取ることができました。今節は自分たちのやり方に固執せず、勝つためにどうしたらいいかを考えてこの1週間準備してきました。そこについては、選手たちと目線をそろえられたかなと思います。 試合としては押されることも非常に多く、我慢する時間も多かったですが、選手たちがピッチ上で一生懸命やってくれました。得点の流れからすると、いままでであればおそらく落としていたゲーム展開でしたが、少しずつ戦えるチームになってきているのかな、と。それを結果で示すことができて、僕としては非常に満足しています。 ただ、自分たちはまだなにも手にしていないので、残り1節に向けていい準備をしていけたらと思っています。 今日は本当に選手たちがよく頑張って勝ち点3を取ってくれたゲームでした。 ──今日の試合は、リードしている時にはライン下げ、ロングボールを多用することを徹底しているように感じました。そのほか、浦安を上回るためにどんなことを考えていたのかを教えてください。 今話していただいたところが、大きな軸になっています。 僕がそういうチームをつくっているから、というのもありますが、うちの選手たちは(ボールを)つなぎたがる傾向があります。そのぶん失点のリスクも上がりますが、今まではそれを許容してでも、「自分たちのフットサルをやり抜く」という思いがありました。 ただ、ここに来て勝ち点3を獲得するためにはどちらのやり方がいいのかをこの1週間で選手たちと共有して、ロングボールを増やした戦い方にしました。僕たちがここまでロングボールを使うことは少なかったと思いますが、 この戦術に振ってもある程度やれる手応えはありました。 実際に先週すみだレディースがこのやり方で攻め込んで、浦安が3失点していたのもあります。自分たちもこのカタチで点を取れれば試合を優位に進められる可能性もありましたし、デメリットはないと判断して、戦略の一つとして選択しました。 ──今日の試合展開は監督として想定内だったのか、それとも選手の予想以上の頑張りがあったのでしょうか? 後者ですね。先制点を取れたことをはじめ流れはありましたが、選手の予想以上の頑張りがあったからこそ、ラストに1点差で勝ち切ることができたと思っています。 ──後半の残り1分で、江川涼選手に声をかけていましたが、どんな話をしていましたか? あのタイミングで、見矢(明日香)にGKを変えました。中田(凪咲)の時は少しロングボールを多めにして、見矢の時にボールラインをあげる狙いがありました。そうなるとピヴォで背中を使える選手が必要になってくるので、江川には声をかけました。もちろん江川はチーム内のトップスコアラーなので、得点に期待して声をかけたのもあります。 ──次節に向けての意気込みをお願いします。 先ほども言いましたが、我々はまだなにも手にしていません。とにかく最終節のすみだ戦に向けていい準備をして、初タイトルを取れるように、気を引き締めて試合を迎えたいです。