強制不妊手術の損害賠償訴訟、2件和解し九州の全6件で成立…国側「解決を遅らせ負担かけたことを謝罪」
旧優生保護法に基づく不妊手術を強制されたなどとして、熊本県の渡辺数美さん(79歳で死去)の親族と女性(78)が国に損害賠償を求めた2件の訴訟は7日、福岡高裁(松田典浩裁判長)でいずれも和解が成立した。国と原告側が9月に調印した和解合意書に基づき、国が謝罪をした上で慰謝料など計約4300万円を支払う。九州で行われていた同種の訴訟計6件は、全て和解が成立した。 【写真】最高裁の前で、「勝訴」と書かれた紙などを掲げる原告ら(7月3日、東京都千代田区で)
弁論で国側は「訴訟の解決を遅らせ、多大な負担をかけたことを謝罪する」と述べた。和解後、女性は「和解ができて安心している」と話した。訴訟中に亡くなった渡辺さんの親族は「本人も生きてこの結果を見られていたらと思うと無念でならない」とのコメントを出した。
同法の被害者を救済するための新法が10月に成立しており、弁護団は今後、訴訟の原告以外で手術を受けた人たちが適切に補償を受けられるよう支援していくという。