「子育ては迷惑をかけたっていい!」「育児を窮屈と感じる親が増えているのは…」 保育歴50年の柴田愛子さんが今一番伝えたいこと
困った時、大変な時にSOSをちゃんと出せる社会にならなくちゃ
私は人間関係はかき混ぜるほどに美味しくなる納豆みたいなものだと思ってます。一粒一粒だと味がないけど、混ざり合うことでいい味が出てくる。 子育て支援施設に行っても出会うのは同世代のお母さんたちだけですよね。職員の人たちはいるけど、お節介なおばちゃん・おじちゃんたちとは出会わない。世代別に仕切りが作られてしまっている暮らしの中での子育ては、孤独感が募ります。 地域で知る人もなく、家で幼い子どもとだけ向き合って、頼りになるのはスマホだけ。そういうお母さんたちの悩みをいっぱい聞いてきました。 まず、地域で世代間のつながりを復活させることで、人間の本来の生活である「群れて暮らす」を取り戻す。それが生きやすい子育て社会への第一歩になるはずです。困った時、大変な時にSOSをちゃんと出せる社会にしなくちゃね。迷惑をかけない子育てが、正しい子育てではないことを、声を大にして言い続けたいですね。
愛子先生のお母さん向けの新刊『保育歴50年! 愛子さんの子育てお悩み相談室』が発売中!
「子どもの心に添うことで、親の悩みも見えてきました。あなたが子育てに悩むのは、良い親であろうとして頑張っているからです」という愛子先生。子どもの性格のお悩み、園のお悩み、母親自身のお悩み…42人のママのリアルな子育てのお悩みに、愛子先生が答えます。 【記事監修】 柴田愛子|保育者・自主幼稚園りんごの木代表 保育者。自主幼稚園「りんごの木」代表。子供の気持ち、保護者の気持ちによりそう保育をつづけて半世紀。小学生ママ向けの講演も人気を博している。ロングセラー絵本『けんかのきもち』(ポプラ社)、『こどものみかた』(福音館書店)、『あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます』(小学館)など、多数。親向けの最新刊に『保育歴50年!愛子さんの子育てお悩み相談室』(小学館)がある。
取材・構成/Hugkum編集部 写真/繁延あづさ