「時間がない」を言い訳にして《なにもやらない人》が見落とす「ムダ時間」の意外な縮め方
2024年も残り少なくなってきました。年頭にはやろうと思っていたことは、春が過ぎ夏の暑さを経たいま、ようやく取り掛かろうとしても年末はすぐそこ…という人もいるかもしれません。 【表でみる】明治、中央、立教…首都圏の主要大学「序列ランキング」 やりたいと思っていたことができない背景として多くの人が挙げるのが「時間がない」という理由。しかしその時間も工夫しだいで有効に使えるやり方があるんです。その方法を偏差値30台から東大に合格し、仕事や育児をしながら8つの資格に取得した石黒由華さんの著書『夢を先送りしない勉強法』(技術評論社)から一部抜粋、編集してお伝えします。
「時間がない」を言い訳にしない
あなたは1日の中に「勉強に使える時間」がどのくらいありますか? 「じつはほとんどない」のではないでしょうか? ビジネスパーソンの1日のスケジュールは、人によって差はあるものの、多くは次のような感じではないかと思います。 これに加え、子どもがいると、夜の貴重な自由時間さえ失われることに……。 では、休日はどうでしょうか? ゆっくり過ごせそうに見えますが、意外とあっという間ということも……。 1日24時間あるといえども、仕事や家事、諸々の用事に大半の時間をとられてしまい、とにかく忙しい。そして、せっかくの自由時間も、スマホやテレビ、ゲームなど、どうでもいいことで浪費してしまう。 スマホにしても、「やりたいから」「楽しいから」やっているというよりも、「何となく」「仕方なく」「ダラダラ」やっていて、貴重な時間がどんどん奪われてしまがちです。 「何もしていないのに休めていない」「遊んでいるのに楽しくない」という、最悪の時間の過ごし方です。私自身、かつては何の成果も出せずにただ時間を過ごすことばかりでした。 しかし、これから紹介するノウハウによって、1日の過ごし方は次のように変えられます。 本稿では、4つのムダな時間を勉強時間に転化する方法を紹介します。
まとまった時間は決まっている
まずやっておきたいことがあります。それは、1日の中の「ムダな時間」をなくし、さらに「勉強時間」に転化することです。 そもそも、「勉強時間」にできる時間は限られています。先ほど挙げた一般的なビジネスパーソンの平日のタイムスケジュールを見ると、勉強に使えるまとまった時間はだいたい決まってくることがわかります。 睡眠時間、朝の準備時間、仕事の時間をなくすのはなかなか難しいことを考えると、勉強に使える時間は、おもに「休日」と「平日の退社後の時間」(朝型の場合は「平日の出社前の時間」)と言えるでしょう。しかし、それらの時間も、自分が思っている以上に、くだらないことに使ってしまっているものです。 そこで、次の4つの時間を「勉強時間」になりうる時間として認識してみましょう。それだけで、時間の使い方が変わってくるはずです。 (1)ダラダラ時間 私の場合、圧倒的ナンバーワンでムダに使っていたのは、「疲れた……」「勉強やらなくちゃ……」と思いながらもテレビやスマホ、お菓子、人とのおしゃべりなどに逃げている時間でした。 それさえなくなれば、平日仕事が19時終わりとすると毎日最大2~3時間、休日はほかに予定が入らなければ最大で1日丸々、勉強時間にできる計算になります。 しかし、自分の意思で「サボりたい気持ち」を抑制するのはなかなか困難というもの。そこでおすすめなのが、強制的に誘惑のない環境をつくることです。 私の場合、自宅で勉強するのは諦め、毎日会社帰りにカフェに寄り、勉強することにしました。これなら、テレビやお菓子に負けることもないですし、無駄話をして時間を潰してしまうこともありません。 休日も、予定のないときはカフェや図書館に行くようにすることで、何もせずに終わっていた時間を勉強時間に変えていけました。 (2)残業時間 あたりまえですが、残業を減らすと、時間の絶対量が増やせます。単純計算ですが、夜19時まで働いている人が、17時半に定時帰りすると、毎日1時間半の勉強時間が生まれる計算になります。また、昼休みのランチ後にすぐに仕事に戻らず、カフェなどで勉強すると、毎日30分ほどの時間が生まれます。 早く帰ると仕事のパフォーマンスが下がるように思うかもしれませんが、むしろその逆。生まれた時間に新しい知識やスキルを身につけることで、長期的に見ると会社への貢献度は上がっていきます。 いま会社で抱えている業務を見直してみましょう。効率化できる業務を見つけ、効率化しましょう。私の場合、会社を早めに退社し、VBA(Microsoft Excelのプログラミングスキル)を身につけることで、自分が大量に抱えていたExcelの定型業務を効率化し、業務時間を圧倒的に減らすことができました。 そして、その時間をまた新しい勉強にあてることでさらにスキルアップし、会社でのパフォーマンスを高められました。「絶対残業しない」と決めると、仕事の段取りも変わってきます。早く退社するために、 「この仕事は急ぎだから早めに片づけよう」 「この仕事は凝ってしまいがちだけど、みんな気にしていないから、あまり時間を使いすぎないようにしよう」 などと思うようになります。 これまで以上に業務の優先順位を意識したり、集中して仕事に取り組んだりできるようになり、時間あたりで処理できる業務量が増えてきます。仕事の時間が減れば、遊ぶ時間も増やせてストレス発散やメリハリもでき、仕事や勉強の効率が上がることもあります。 …つづく後編記事の<なんと1日2時間超え…!《家事にとられる時間》を圧縮する、スゴい方法…0歳児育児中に「半年で東大大学院」に合格した女性が教える>でも、残りの2つの時短方法をお伝えします。
石黒 由華