曽我ひとみさん富山で初めて講演「時間との戦い」明日から北朝鮮人権侵害問題啓発週間
富山テレビ放送
10日から、全国で、北朝鮮による拉致問題への理解と関心を深める啓発週間が始まります。 それにあわせ、8日、拉致被害者の曽我ひとみさんが県内で初めて講演し、問題の早期解決を訴えました。 「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」にあわせ、県などが開いた講演会。 拉致被害者の曽我ひとみさんが初めて、富山で講演しました。 *拉致被害者 曽我ひとみさん 「家まであと100メートルたらずというところまで来た時でした。男性3人が足早に駆け寄り、私と母に襲い掛かってきました。抵抗することもできず、口をふさがれ、手足を縛られ、南京袋のようなものをかぶされて担がれて川まで連れていかれました」 曽我ひとみさんは、1978年、19歳の時に新潟県佐渡市で母親のミヨシさんとともに北朝鮮に拉致され、2002年に帰国を果たしました。 曽我さんは、集まった富山の聴衆を前に北朝鮮での苦しい生活を赤裸々に語りました。 *拉致被害者 曽我ひとみさん 「とにかく寒い。その寒さが痛い。寒さが肌に突き刺さるようだと表現した方がわかりやすい。厳しいと感じたことは生活費が最低限の保障しかなかったこと。生活費が足りなくなりそうになると禁止されていた闇市にも行ったりしたが、切羽詰まった時以外はとうもろこしの粉をこねて生地をつくりうどんやパスタの代用品にして窮場をしのぐこともあった」 93歳になる母親のミヨシさんの消息は、今もわかっておらず、「母の年齢を考えると長くは待てない。北朝鮮は医療施設、設備がお粗末で病気になればどんな状態になるかわからないのでよくないことは想像しないようにしている」と話しました。 そして、拉致被害者や帰国を待つ家族が高齢化していることに触れ、早期の問題解決を訴えました。 *拉致被害者 曽我ひとみさん 「とにかく時間との戦いだと思う。被害者、家族の両方が元気であるうちに解決してほしいと願うことしかできないのがなんとももどかしい」 *講演を聞いた人 「世論があって初めて進歩できると思うので講演会にいろんな人が積極的に参加してより多くの人が考える機会を持つことができたらいいなと思う」 *講演を聞いた人 「今回初めてきかせてもらった。多くの人が政治に巻き込まれた人たち。私は日本人としてなにか協力できることはないかと思っている」 警察庁などによりますと県内には、拉致の可能性が排除できない人が20人いるとされています。 *拉致被害者 曽我ひとみさん 「今後もいろんな方法で知恵を出し合いながら諦めずに最後まで一緒に活動していきたい。本当にこの活動を一日でも早く終わらせたいという気持ちでいっぱい」 曽我さんは、拉致問題が解決していないこと、解決するために奔走している家族がいることに、理解と関心を深めてほしいと訴えました。 *拉致被害者 曽我ひとみさん 「どうかどうか1日も早く、1人でも多くの日本人拉致被害者を取り戻すためにお力をお貸しください。ただいま、おかえり、この言葉を1日でも早く聞きたいだけなのです」 北朝鮮による拉致問題については、10日から始まる啓発週間にあわせ、富山市役所などで、パネル展が開かれます。
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