細身ながら三振が奪える左腕、敦賀気比・管田の武器はチェンジアップ【この秋輝いた球児たち】
球速はさほどないが、球のキレで勝負する。高校生ではよく目にする、そんな投手が敦賀気比(福井)にいる。今年の明治神宮大会初戦(沖縄尚学戦)で先発した左腕、管田 彪翔投手(1年)は、まさに「キレ」で勝負して、チームに勝利をもたらした。 【一覧】管田の北信越、明治神宮大会の投手成績 自己最速は136キロ。神宮のマウンドでも130キロ台前半がほとんどだったが、打者がつまることが多かった。右足を上げて、いったん左足に重心を乗せるようにして、体のキレを利用するようにキレのある直球を投げる。その体のキレが球のキレを生んでいるようだ。 さらに、決め球にチェンジアップを多投していた。130キロに満たない球速で、直球の軌道からスッと落ちる。右打者には外角へのこのチェンジアップが大きな武器となっていた。 沖縄尚学相手には、先発6回で三振は3つだけだったが、北信越大会では22.1回を投げて23三振を奪っている。明治神宮大会でも2試合7回を投げて6奪三振。2大会合計では、29.1回29奪三振と、イニング数同等の三振を奪っている。この数字もやはり、チェンジアップを中心とした緩急をつけた投球の結果だろう。 さらに、死球こそ3つ与えているが、四球は3しか与えていない。フォームの安定が、制球力にもつながっている。 まだ1年生。176センチ、73キロと細身の体型だが、この冬で一段と体ができ上れば、楽しみな左腕になりそう。センバツのマウンドでも、キレのある直球とチェンジアップで「三振ショー」が見られるだろうか。