坂本龍一にまつわる特別展示「坂本図書分室」も!アートブックの最前線『TOKYO ART BOOK FAIR 2024』の見どころ
「TABF」の愛称で親しまれてきた、『TOKYO ART BOOK FAIR 2024』が東京都現代美術館にて、11月28日から12月1日まで開催される予定だ。14回目の開催となる今回は、国内外から約300組の出版社、ギャラリー、アーティストが一堂に集まり、展示販売を通してその魅力を発信。アートブックカルチャーの最前線を知ることができる本展で、特に注目したい見どころとは。 【写真】展示の内容や「坂本図書分室」など12枚。 スイス・チューリッヒを拠点とするインディペンデント出版社「Nieves」は、アーティストブックとZINEに特化したパイオニア的存在だ。今回は、これまでに刊行してきた400冊のZINEのカバーを並べたウォールペーパーを制作し展⽰。一部のZINEは実際に手に取ることができ、作家たちと実現してきた多様性に富んだ本づくりを満喫できる。
ドイツのブックカルチャーに触れる
会場内では、ひとつの国や地域に焦点を当て出版文化を紹介する「ゲストカントリー」の第8弾として、グーテンベルク印刷機の母国であるドイツに焦点を当てている。日本でも高い人気を博すアーティストのステファン・マルクスやベルリンのアートブックフェア「MISS READ」、現代美術の発展を寄り添ってきた老舗出版社「Verlag der Buchhandlung Walther und Franz König」、世界一美しい本を作ると謳われる「Steidl」など、ドイツのアート出版を牽引する多様なブックメイカーたちをフォーカス。
生粋の愛書家、坂本龍一と本との関わり
本展にて特別展示される「坂本図書分室」も見逃せないだろう。このコーナーでは、東京都現代美術館で12月21日より開催される展覧会『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』に先駆け、愛書家である坂本龍一が所蔵していた本を読むことができる。「いつか古書店の店主になるのが夢だった」と語る彼の私物書籍や、実際に使用していた家具などの読書空間を再現している。 そのほかに、ニューバランスやビームス カルチャート、『花椿』などもスペシャルブースとして展示に参加している。誰にもコントロールされない、アーティストたちの自由な表現を楽しめる本展で、お気に入りの一冊を見つけたい。
文:Pen編集部