【インタビュー】ソフトバンク・牧原大成 勝負の相手は自分自身「自分のやれることをしっかりやって、ダメだったらまたやり直せばいい」
信頼を受けての決断
ソフトバンク・牧原大成
球界屈指のユーティリティープレーヤーは新シーズンを迎えるにあたり、生きる道を「セカンド一本」に定めた。激しさを増すポジション争い。新監督の下で生まれ変わるチームで不動の地位を確立して4年ぶりの歓喜を味わうべく、自分に勝って、人にも勝つ。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、BBM キャリアを重ねても挑み続ける。牧原大成は2023年オフから、「セカンド一本」を何度となく言葉にしてきた。チームの勝利のために、いろいろとこなしてきた自負はある。そこから気持ちを切り替えて、一点集中で向き合っている。 ――シーズン開幕を前にして今、どんな気持ちですか。 牧原 もう(プロ入り)14年目になりますが、やっぱり緊張感というのはすごくありますね。それはキャリアを重ねても変わらない。これからみんなとチームとして戦っていくスタート。それに競争もあるので。やっぱり、いろいろな意味で結構プレッシャーを感じています。 ――小久保裕紀監督に代わり、チームとしても新しくなりました。そこに対してもまた一つ、いつもとは違った気持ちもあるのでは? 牧原 今年は監督がレギュラーについて、ギーさん(柳田悠岐)と近ちゃん(近藤健介)しか決まっていないと言われたので。もちろん自分としても、今年から「セカンド一本」ということもありますし、本当に一からしっかりアピールし続けないといけない立場だなと思います。 ――複数ポジション、特に内野も外野も守れるというところは、牧原選手の大きな武器です。にもかかわらず、今季を迎えるにあたってはセカンド一本での勝負を決めました。強い覚悟を持った決断。ユーティリティーという強みを生かすよりも、一つのポジションで勝負したいと考えた理由とは何だったのでしょうか。 牧原 監督から「セカンドとして勝負してほしい」と。そうやって言っていただいたということはセカンドとして信頼していただいているからこその言葉なのかなと思いますし、守る場所が一つになることによって複数のポジションを練習していた時間を全部、セカンドに充てることができる。そういうところは、メリットになるのかなと思いますね。 ――自身の意思表示よりも先に、小久保監督から打診されたのですね。 牧原 そうなんです。正直なところ、昨季はセンターを守ることが多かったので(※出場91試合で中堅は55試合)、センターで勝負したいなという気持ちもありました。でも、そこはすぐに「セカンドでまた頑張っていこう」というふうに切り替わりましたね。 ――これまでも一つのポジションで、と決めて挑んだことはありました。ただ・・・
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週刊ベースボール