東芝が米原発子会社の損失開示遅れで会見(全文3完)
ウェスチングハウス社の償却無形資産額について
週刊エコノミスト:週刊エコノミストのゴトウと申します。3点あるんですけど、1つずつお答えください。まず、最初にRoderick社長にお伺いしたいんですが、東芝から2006年に買収される直前のウェスチングハウス社の償却無形資産はいくららあったのかを教えてください。 Roderick:会社に私が入りましたのが2012年なので、そのときの数字について私のほうからは差し控えさせていただきたいと思います。 平田:代わってお答えいたします。2006年、買収直前は基本的にはございません。買収に伴って無形固定資産とそれからのれんの額を計上させていただいてございます。 週刊エコノミスト:では、次に志賀さんにお伺いします。直前に計上した償却無形資産が、2,016億円あまりかと思うんですが、先ほどからおっしゃっているその減損テストで2013年に償却した金額というのは、要はこのウェスチングハウスが子会社等に持ってるのれんを償却したという理解でよろしんでしょうか。 志賀:それで結構だと思います。 週刊エコノミスト:では3つ目の質問なんですけれど、いわゆる東芝本体からすると、孫会社ののれん代の償却ということで、東芝はウェスチングハウスの燃料、サービスの事業の収益性の高さから、ウェスチングハウスに対する4,000億円あまりののれん代の償却は手を付けてないということなんですが、孫会社であっても、連結対象の1,600億円もの損失が出た場合、適宜開示は当然のこととして、連結ののれん代にも減損を反映させる必要があるかと思うんですけれど、これをしないでいい会計上の処理、考え方はどのように思っていらっしゃるのか。 これは、極めて経理的に粉飾に当たるリスクが高い案件だと思いますけれど、この決算を承認するに当たって、取締役会はなんらかのリーガルレターを顧問弁護士なりから得た上で承認しているのかを教えてください。 これは、最後の部分は室町さんにお願いします。 平田:すいません。財務部門からご説明をさせていただきます。志賀の説明にもございましたが、7ページの資料、例えば12年度でございますが、この資料をご覧いただきますと、先ほどご説明させていただきましたように、現地、孫会社のほうはプロダクトライン別に減損判定テストをやりまして、その一部が残念ながら評価減をしなければいけないということで、評価減になってございます。一方、その7ページの一番右をご覧いただきますと、東芝側から見ますとウェスチングハウス社全体が1つのプロダクトラインになってございますので、こういう形で見ますと時価が簿価を上回っているという形になってございます。 それから、外部の機関から何か公式的なエビデンスというか証明書を頂いたかというご質問でございますけれども、これは現地部分についてはE & Yから、基本的には減損しなさいということですね。それから、連結については、新日本監査法人からご意見をいただいてというか、決算上問題がないというご意見をいただいてございます。これが当時の状況でございます。 週刊エコノミスト:すいません。室町社長のほうからお答えいただきたいんですけれど、新日本が承認した、オーケーを出したということですが、孫会社であっても、1,600億円減損した以上、本体も反映させるという考えは当然成り立つんですけど、それをしなかったというのは、連結修正仕訳で償却したということなんですか。それは、その新日本なりも法的に問題のないという意見をもらって、社長らが先日の修正した決算を承認したということでよろしいんですか。 室町:何回もご説明申し上げてございますけれど、WEC単体に関しては4つのレポーティングユニット、ビジネスユニットでそれぞれ減損テストを行い、東芝本体としてはWEC連結の、WEC全体としての減損テストを行って、その結果、減損する、しないという判断が下される。これは、会計上の処理の問題でございまして、意図的に減損をしたり、しなかったりということではないと理解しておりますし、もしそういう状況にするためには、WEC全体を1つのユニットとして東芝連結に組み入れるのではなくて、それぞれのレポーティングユニットをそれぞれ東芝の連結ベースのレポーティングユニットにすると。そういう処理が必要でございますけども、それをまた会計監査上、そういう操作が意図的にできるのかどうかということに関しましては、また別の検討の必要があろうかと思います。 ウェスチングハウスの減損につきましては、毎年毎年、減損テストをしていただいておりまして、意図的に減損したりしなかったりという操作は一切してございませんので、いずれも適正に評価されているという認識でございます。 司会:よろしいでしょうか。それでは、以上をもちまして、説明会を終了させていただきます。 このあと、45分からアナリスト、投資家の皆さんの質疑応答の時間とさせていただきます。メディアの皆さん、ご同席は結構でございますが、撮影、ご質問については大変恐縮でございますが、ご遠慮いただくようにお願いをいたします。 <完>