『海のはじまり』第8話 2人の心の距離を表現した繊細な演出にも注目
Snow Manの目黒蓮が主演を務めるTVドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)の第8話が、8月19日に放送された。今回のエピソードは、水季(古川琴音)の姿を嬉しそうに夏(目黒蓮)がカメラで収める、かつての幸せな二人の姿から幕を開ける。そして今回の第8話では、このフィルムカメラが重要なキーアイテムとなる。(以下、ドラマのネタバレを含みます) 【関連写真】ドラマ『海のはじまり』より夏(目黒蓮)&海(泉谷星奈) 海(泉谷星奈)の父親になる決心をした夏は、疎遠だった父親の基春(田中哲司)を喫茶店に呼び出し、海に会わせる。父親役を演じるのは、名バイプレイヤーの田中哲司。水季が暮らしていたアパートの大家さんが岩松了だったり、写真屋の店主が山崎樹範だったり、やはりこのドラマは起用する俳優が演技派ばかりだ。 だが父子の久々の対面は、感動の再会とはならなかった。それどころか、海に「変な名前」と言い放ったり、「海が夏の本当の娘かどうかなんて分からない」と暴言をカマしたりして、椅子を蹴飛ばすくらいに夏をキレさせてしまう。そればかりか、父親から譲り受けたフィルムカメラを大切に持ち続けてきた夏に、「カメラは趣味じゃない」と言い放つ。父親になる決心をした夏にとって、目の前にいる基春は、“あるべき父親像”からあまりにもかけ離れた人物だった。 夏はいたたまれなくなり、喫茶店を飛び出す。やがて行きつけの写真屋に行くと、基春が息子と再会してから毎日ここに通いつめていることを聞かされる。意を決して、再び基春と会うことにする夏。この2度目の再会で、彼は意外な言葉を父親から聞くことになる。 「面白がるだけなら趣味。楽しみたいときに楽しむだけなら趣味。あなたは子供を、釣りや競馬と同じだと思っている」 それは、かつての妻・ゆき子(西田尚美)から言われた言葉だった。子育てというハードワークを、基春はただ面白がることしかできなかった。その強烈な悔恨が、「カメラは趣味じゃない」という発言に繋がったのだろう。自分は父親失格と思っている基春だが、それでも久々にフィルムカメラを手にして、ファインダー越しに息子を見つめる姿は、間違いなく父親そのものだった。