「私は中国好きではない」-共和副大統領候補バンス氏の主な対中発言
「ウクライナでの戦争やイスラエルでの戦争、中国が台湾に侵攻した場合にあり得る東アジアでの戦争を支援できるような産業能力はわれわれにない。このため、米国は選別する必要がある」と、4月にFOXニュースに語った。
バンス氏はロシアのプーチン大統領に対して強さを誇示すれば、習近平国家主席への抑止力にもなるという主張に反論。「中国は真の実力を重視している。実際のところ、われわれがどれほど強力なのかということに彼らは注目している。中国への対抗で十分な強さを確保するには、われわれはそこに集中しなければならない。今は手を広げ過ぎている」と話した。
関税と貿易
バンス氏は太陽光パネルや電気自動車(EV)だけでなく、「特に中国から入ってくる製品に対する幅広い関税」を求めてきた。
5月にはCBSの番組「フェース・ザ・ネーション」で、「米国の産業をあらゆる競争から守る必要がある」と主張。「中国がわれわれに勝つのは、彼らの労働力が優れているからではなく、奴隷を使ってでもものをつくろうとするからだ」と述べた。
米国は中国が新疆ウイグル自治区で強制労働を行っていると非難しており、バンス氏の発言はこれを指しているとみられるが、中国側は強く否定している。
また、同氏は米労働市場の問題についても対中批判を展開。「私は中国が好きではない。中国が米国から多くの雇用を奪っているのが気に入らない」と同じ番組で語り、「われわれはばかばかしい外交政策を追求することが非常に多いため、十分なものがつくれない。もっと自立しなければならない」と語った。
グローバル化
バンス氏は中国などの自由化につながらなかったとして、グローバル化の「再考」を主張している。
「中国をわれわれに近づければ、長期的には価値がある」というのがここ数十年の考え方だったと、同氏は今年に入りポリティコで指摘。「そうした根本的な目標が実現しなかったのであれば、プロジェクト全体を考え直さなければならないと思っている」と語った。