初代ポロはビートルの理想を受け継ぐ小型車として登場【フォルクスワーゲン ポロ誕生50周年①】
1st Generation (1975-1981):小型車セグメントに新風を吹き込む
2025年、フォルクスワーゲン ポロが誕生50周年を迎える。「ポロ」はビートルの後継車のひとつとして、すべての人が手頃な価格で購入でき、堅牢で壊れにくく、壊れても修理しやすく、合理的で実用的な小型車として登場。1975年3月に誕生して以来、6世代50年にわたって進化を遂げながら、世界中で多くの人々に愛されてきた。この「ポロ」はどのように進化してきたのか。ここではそのヒストリーを辿ってみよう。第1回は記念すべき初代モデルを振り返る。 【写真はこちら】わずか60psしかなかったものの、間違いなく当時としては衝撃的な存在だった。(全6枚) 1975年3月に発表された初代ポロは、4隅にタイヤを配置して大きな居住空間を実現する合理的な前輪駆動を採用。全長はわずか3.5mと、それまでフォルクスワーゲンが生産した中で最も小さなクルマだったが、4人の乗客と荷物を積むのに十分なスペースがあった。さらに先行してアウディ50を市場に投入してユーザーのニーズを調査し、万全の仕上げで生産が開始された。 効率的で実用的な作り、すっきりとしたデザインと高い機能性を持った初代ポロは、このセグメントに新風を吹き込み大成功作となった。 アウディ50が1.1 Lのエンジンを搭載していたのに対し、ポロは900ccのエンジンを搭載。ボディは3ドアハッチバックのみで、標準仕様と装備の充実したLグレードの2つと、アウディ50よりもベーシックな設定だった。 1976年には1.1 Lエンジンを追加。1977年にはセダンの「ダービー」(ポロとは別モデル)、パワフルな1.3Lをラインナップ。さらに1979年にはアップデートされて、バンパーの樹脂化、ヘッドランプの角形化、フロントグリルのデザイン変更が行われたほか「GT」と呼ばれるホットモデルが加わった。 「ポロGT」は、ゴルフGTIと同じようにラジエーターグリルが赤で縁取られ、黒と赤のスチールホイール、黒のトリムストリップなどを装備して登場。 1.3L自然吸気エンジンはわずか60psしかなかったが、間違いなく当時としては衝撃的な存在だった。 スペシャルモデルとしては1976年に「ポロ ジーンズ」が登場。ポケットとリベットが付いたデニム風のシートカバーや特別なボディカラーが装備された遊ぶ心にあふれるモデルで、1976年に9000台が限定生産され、1978年にはその第2弾として7800 台が販売された。 初代ポロは110万台が生産された。
Webモーターマガジン編集部