「なんやお前らうっさいんじゃ」児童虐待事案の対応訓練 相談件数が最多 児童相談所と警察が連携確認
広島ニュースTSS
6380件。広島県内の児童相談所に寄せられた児童虐待の相談件数です。過去最多に上っています。 【実母】 「私は虐待なんかしていないし、タロウはしっかり育てています。帰ってください!」 【児童相談所】 「児童虐待防止法に基づく立ち入り調査です」 【同居人】 「なんやお前らうっさいんじゃ!子どもには会わせんと言っとるじゃろうが!なんの権限があってこんなことしよんじゃ!とっとと帰れ!」 高圧的な態度をとる親と対峙する児童相談所の職員…。 6日、県内にあるすべての児童相談所と警察が合同で行ったのは、緊急性の高い児童虐待事案における対応訓練です。 【向井記者】 「強制的に職員が立ち入っています」 【警察】 「ダメよ!臨検・捜索妨害したら公務執行妨害になるからね」 【同居人】 「おいタロウ!勝手に連れていくなオイ!」 県内の児童相談所に寄せられた過去10年の相談件数は右肩上がりで、昨年度は「6380件」と「過去最多」を更新し続けています。 そうした中、今年9月には自宅で2歳の長女に睡眠薬を飲ませ中毒状態にしたとして母親が逮捕される事件も発生。 母親と夫は「娘が寝付かないので薬を飲ませた」と話していました。 虐待が疑われる事案が増える中、一件一件、丁寧な対応が求められる児童相談所。 【広島市児童相談所・力善安希乃 所長】 「少子化・核家族化がより進む中で、子育てにかかる保護者の孤立が深まっているなど様々な事柄が複雑に絡み合っていると考えられる」 6日、参加した児童相談所と県警の担当者、およそ80人はイザというときに躊躇なく迅速に対応できるよう準備を進めることや児童虐待対応における緊密な連携を確認しました。 【広島市児童相談所 初期対応担当課・松島智子課長】 「虐待の軽いうちに児童相談所が介入することが重篤な事案を防ぐことになるのでぜひ”あれおかしいな”と思ったら児童相談所に情報提供いただければと思う」 <スタジオ> 児童虐待。ひどいケースだとお子さんが亡くなってしまう痛ましい事件につながってしまう。私も4年前(2020年)に緊急事態を想定した訓練を取材したことがあるのですが、その時も緊迫感を持って訓練をしていたのが記憶に残っています。 4年前も、通告件数が増加していて、現在、過去最多を更新しています。 あらためて現状をまとめたポイントは…。 <県内での虐待相談>(県こども家庭センター) 〇虐待者の「およそ9割」は「実母・實父」 〇「警察」などからの通報”多い” 実は、夫婦間のDV通報などで現場に駆け付けた警察官が、その場に子どもがいれば心理的虐待にあたる「面前DV」として児童相談所に通報するよう連携がとられているということなんです。 〇子どもを「家庭」から「施設」などへ引き離す「親子分離」はやや減少傾向。昨年度は「59件」 児童虐待を社会全体で減らしていく必要があります。 例えば、「大きな怒鳴り声や物音がする」「玄関前で子どもが怒られている」「顔見知りの子どもの表情が暗い」など、こうした身近で虐待が疑われる事案に遭遇した際には、児童相談所虐待対応ダイヤル『189(いちはやく)』に電話をしてください。通話料は無料です。
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