三菱「スタリオン」は約300万円チョイでお買い得だが、ガンダムチックで攻めたボディは万人受けせず?【今日は何の日?5月14日】
■三菱のフラッグシップスポーツとして登場したFRスポーツ
1982年(昭和57)年5月14日、三菱自動車からスペシャルティカー「スタリオン」が発売された。1970年にデビューした「ギャランGTO」の実質的な後継車であり、三菱のフラッグシップスポーツとしてリトラクタブルヘッドライトを装備した面構成の角ばったスタイリングが特徴だ。 三菱スタリオンの詳しい記事を見る
●三菱自動車誕生とともにデビューしたギャランGTO
1970年、戦前から自動車生産を始めていた三菱重工が、自動車部門を独立させ三菱自動車工業が発足した。同時に、米国クライスラー社と資本提携を締結しグローバル化(特に米国市場への進出)による企業体質の強化を図った。 三菱自動車になって最初に発売されたのが、1970年10月にデビューしたスタリオンの先代にあたる「ギャランGTO」だ。典型的なロングノーズ・ショートデッキのダイナミックなスタイリングとパワフルな走りで、三菱のスポーツモデルのイメージリーダーとして人気を獲得した。 三菱重工時代のクルマは、信頼性は高いが、技術至上的でスタイリングが地味というイメージを、三菱自動車誕生を機に払拭することを目指し登場したのがGTOだった。
●米国市場を意識した国際派FRスポーツのスタリオン
スタリオンは、ギャランGTOの実質的な後継車で三菱のフラッグシップスポーツを継承。面構成の角ばった個性的なスタイリングが特徴で、リトラクタブルヘッドライトに大型の衝撃吸収バンパー、太いBピラーと直角三角形のリアクウォーターウインドウなど、近未来的な雰囲気があった。 パワートレインは、2.0L直4 SOHCのNA(自然吸気)とターボ仕様の2種エンジンと、4速ATおよび5速MTの組み合わせで、最高出力はターボ仕様で145ps、後に追加されたインタークーラー付ターボは175psを発生。また、当時提携関係にあったクライスラー社でも販売することを前提に開発されたので、米国については排気量の大きい2.6L直4 SOHCインタークーラー付ターボが用意された。 車両価格は、302.5万円(MT)/311.5万円(AT)と高性能モデルとしては比較的安価な設定だった。ちなみに、当時の大卒初任給は12.5万円程度(現在は約23万円)なので、単純計算では現在の価値で約557万円に相当する。 また、国内のモータースポーツにも積極的に参戦し、全日本ツーリングカー選手権などで活躍したり、映画“キャノンボール2”で、当時の人気俳優ジャッキー・チェンが乗って話題となったが、国内の販売は期待したほど伸びなかった。
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