根城本丸の大イチョウ、元気取り戻して 中学生ら土壌改良 青森・八戸市
青森県八戸市の史跡根城跡の本丸北端にある大イチョウ(推定樹齢約650年)の樹勢を回復させようと、八戸市博物館は20日、根城中の生徒と一緒に、イチョウ周辺の土壌改良を行った。参加を希望した同中の3年生13人と八戸市森林組合の6人が、根元の土を約30センチ四方に深さ約40センチまで掘って石などを取り除き、栄養のある土に入れ替えた。 大イチョウは1334年の根城築城のころから存在していたとの伝承があり、地域住民に親しまれてきた。2009年には市の保存樹木に指定された。高さ約24メートル、幹回り9.11メートル。 東側の葉が小さく色が薄くなってきたことから市は22年度、樹木医に調査を依頼。樹勢が弱っていると判明したため、23年度に3カ年計画で樹勢回復に着手した。本年度は、校歌の歌詞に大イチョウが登場する根城中に参加を呼びかけた。 大イチョウは根を保護するため、普段は周辺にロープを設置しているが、本丸の入場料を払えば近くで見ることができる。20日はロープを外し、参加者が大イチョウ前に集合した。 生徒は市博物館の高橋怜土学芸員から大イチョウの歴史について説明を受けた。移植ベラや熊手を手に土を削り、根が出てくると傷つけないよう、丁寧に作業した。真坂樹さんは「近くに住んでいるが、大イチョウのことを知らなかった。学ぶことができ良かった」、三浦莉穂さんは「古くからあったと知り驚いた。ずっと長生きしてほしい」と語った。 市川健夫学芸員は「今日の作業をきっかけに、八戸市の根っこである根城と大イチョウに関心を持ってほしい」と呼びかけた。