ドンキさんマジか…商品に批判殺到→「その後の対応」が一枚も二枚も上手だった!
● ドンキの大ヒット商品 ドンキの「権限委譲」は、単なる経営方針に留まらず、企業文化の一部として根付いている。この理念は、創業者の安田氏が掲げた「顧客最優先主義」に基づいており、現社長の吉田氏によってさらに強化されている。 ドンキでは、店舗スタッフやアルバイトにも権限を委譲し、売り場の構成や価格設定を自分の判断で行うことが可能だ。アルバイトであっても商品選定や仕入れに関する裁量を持ち、一人の商売人としての自覚を促している。 では、ここまで権限を委譲して、本部はいったい何をしているのか? そう考える人もいるだろうが、本部は本部で現場から離れられた分、自分たちの強さを磨くことに専念できるというわけだ。 その1つが、2019年に刷新されたプライベートブランド(PB)商品の開発と、消費者からのフィードバック(評価)だ。以前のPB商品は、単純に安いだけの特徴のあまりない商品群だったが、今ではPBを購入することを目的にする顧客も多数いる大きな存在となっている。 ドンキのPBのヒット商品には、「チューナーレステレビ」や大容量のツナ缶、巨大なフルーツ缶などがある。これらはテレビ放送を見ず、ネットだけ見るという顧客を開拓するなど、潜在的なニーズを掘り起こしている。 面白いのは、フィードバックの方法だろう。
● 商品に批判殺到→ドンキはどう出る? ドンキの公式アプリ「majica」をインストールすると、Amazonと同じように、ドンキの商品に対して、顧客が好き勝手褒めたり、文句を言ったりすることができる「マジボイス」という機能を使うことができる。 例えば、人気商品「素煎りミックスナッツDX(デラックス)」(年間売上10億円超)には、こんな声が寄せられている。 「個人的にはクルミがもう少し少なくても良いかなぁ。何回もリピ買してます」(60代女性) 「味付きナッツの方が好きだがこちらの方が安いので、味付きと合わせて買って混ぜて食べている」(20代男性) ドンキの商品開発者が目を通すということもあってか、顧客がどんどん要望を送っている。 「素煎りミックスナッツDX(デラックス)」には、「いいよ!」の比率が96%だが、中には、「いいよ!」の比率が25%しかない「無添加からだ想いラップ 22cm×50m」のような商品もある。 コメントは手厳しい。 「切りにくい。急いでいるときはストレス」(30代女性) 「もう絶対に買わない。ストレスやばい。切れない、壊れる、取れる、のびるの四重苦。開発部の顔が見てみたい」(40代女性) 「商品自体は気に入っていますが、金属の刃が嫌。イオンの無添加ラップ のようにプラスチックの刃にしてほしい」(50代女性) まさに批判殺到だが、ドンキはこうした耳の痛い意見も決してスルーしない。