約100年前にベーブ・ルースも罹患した感染症の教訓…選手の命も奪われマスクをつけて野球をした時代から学ぶもの
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が延期されたメジャーリーグが、開幕に向けて、あらゆる可能性を検討している。先日は全30球団をアリゾナ州フェニックス近郊に集め、無観客で行う公式戦開催案を機構が選手会と協議していると報じられた。機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーも、「プランではなくアイデアだが、検討してきた様々な緊急対応策がある」と否定せず、公衆衛生局のGOサインが出ることを条件にいろいろな方法での開幕を模索していることを明らかにした。 もしかすると感染予防のため試合中のマスク着用も提案されるかもしれない。韓国プロ野球がマスクをつけて紅白戦をしている画像がSNSなどで流れ、米スポーツ専門局のESPNが関心を示した。 実は、米国のプロ野球ではマスクをつけて試合をしていた時期がある。世界中で2000-4000万人が死亡したとされるスペイン風邪が1918年から1919年にかけて大流行していた頃だ。 7日にロサンゼルス市は、食料品店などの従業員と利用客にマスクやスカーフの着用を義務づける命令を出したが、実は、この時代に米カリフォルニア州パサデナ市ではスペイン風邪の感染を防ぐため住民にマスク着用を義務づける条例が施行された。市内で野球のウインターリーグが開催されたときには、条例に従って選手、審判、観客の全員がマスクをつけていた。その様子をとらえた当時の写真が残っている。当時の報道によると、観客はマスクをつけながらも、大声を出して応援していたというから、どこまで感染予防効果があったのかは疑わしい。 マスクをつけてスポーツをするのは、心地のよいものではないだろうが、韓国プロ野球の紅白戦、100年以上前のカリフォルニア州パサデナのマスク写真を見れば、プレー不可能というわけではないだろう。 1918年から流行が始まったスペイン風邪は、多くの野球関係者の命を奪った。米野球殿堂博物館の公式ホームページによると、ホワイトソックスなどに在籍し、18年はマイナーにいたラリー・チャッペルのほか、複数のマイナーリーガーが死亡。記者も亡くなった。