羽生善治会長「人間同士が対局する面白み」藤井聡太王座就位式 永瀬拓矢九段とのシリーズ回顧
将棋の第72期王座戦を制した藤井聡太王座(竜王・名人・王位・棋王・王将・棋聖=22)の就位式が9日、都内のホテルで行われた。永瀬拓矢九段(32)との5番勝負は、前期と立場を入れ替えての防衛戦。見事3連勝して、初防衛を果たした。 主催者としてあいさつした日本将棋連盟会長の羽生善治九段(54)は、「昨年に続き、今年も勝るとも劣らない内容のシリーズだった。お互いに序盤から工夫を凝らして、どちらに転ぶかわからない白熱した勝負を展開してくれました」と、シリーズを振り返った。 さらに、藤井が永瀬に大逆転した第3局についても触れた。現在は動画などで対局両者の勝てる確率が「評価値」として表示される。羽生会長は、「数字と対局している人の心理は別のところがあり、ミスには見えるが、心理の部分や対局のプロセスを考えると、簡単にミスが終わったとは言いきれない。そこに人間同士が対局する面白みがあると思いました」と強調していた。 8日には、藤井と兵庫県西宮市の阪神甲子園球場にある貴賓室で記念対局をした。同球場と将棋連盟がともに100周年という記念すべき年のコラボ企画だった。慌ただしく帰京して、棋士ではなく、会長の立場としての公務をこなした。